don't#2

King of America
■Don't Let Me Be Misunderstood / The Costello Show
エルヴィス・コステロの86年の傑作(コステロ・ショー名義)「King Of America」はルーツロック的(当時そんな言葉はなかった)というか、それまでカントリーのアルバムを作ったことはあるけど、それほどアメリカン・ロック寄りではなかったコステロが、ジェームズ・バートン(g)、ジェリー・シェフ(b)、ロン・タット(ds)といったエルヴィス・プレスリーのバックを務めた連中や、エッグス・オーヴァー・イージーのオースティン・デローン(kb)、ディランのローリング・サンダー・レヴュー出身のTボーン・バーネット(g)、ジム・ケルトナー(ds)らと共に作り上げたもので、それまでのスタイルとはがらりと変え、カントリーとR&Bの世界にどっぷりとつかっている。それも表面のarrではなくて、もっと深い部分で。ただレーベル側が危険と判断したのか、先行シングルとして用意したのが、アニマルズで知られるこの"悲しき願い"で、アルバムを象徴するキーワード「芳醇さ」とはかけ離れているのが、少々悲しいが。マイケル・ブレアの叩くマリンバが奇妙な味を出している。