down#2

Border Town
■Struttin' Down Main Street / Fusion
このバンドのことを教えてくれたのはきよさんだけど、なんでも若きライ・クーダーが参加してると言う話だった。Atcoからのリリースながら、ほとんど無名な1枚だったのでまさか、Wounded Birdから出るとは思わなかった。このロウ・バジェットな再発レーベルは、MCA系のOne Wayと同じく安いけど、ジャケットなどオリジナル仕様の再発ではなく、ボーナストラックはおろか今日的な視点のライナーもない、といった個人的には不満だらけのレーベルなのだ。
さて、60's半ばににライ・クーダーは、タジ・マハールとのライジング・サンズというバンドをやっていたが、このバンドのゲイリー・マーカー(b,vo)が結成したのがこのフュージョンで、クーダーは前半にあたるA面でスライドをビュンビュン聞かせる。リック・ルーサー(p,ds)、ハーヴェイ・レーン(sax,fl)、ビル・ウォルフ(g,b)、リチャード・マッツキン(ds)にマーカーの5人がメンバーで、バンド活動期にはフュージョンと言われるジャンルは、まだなかったけど、CDの後半にあたるB面は、ジャズロックと言うかフュージョン風の音で、ルーツロックなスワンプ・サウンドの前半とはかなり趣が違う。思い出すのはソフト・マシーンやトントン・マクートといった英ジャス・ロックだったりする。前半は先にも書いたが、クーダーのgを大きくフィーチャー。"Struttin' Down Main Street"では、演奏前の秒が、クーダーのスライドソロと言う案配で、これはこれでちょっとうざいけど。タイトルが「Border Town」なので、てっきりチカーノ的なニュアンスもあるのかな?と思ってたけど、それは少ない。サイケデリックとジャズ・ロックとスワンプがこのバンドの正体だ。