down#3

Six Star General
■Let Me Down Easy / Vinegar Joe
今ではUKスワンプなんて便利な言葉が流通しているので、なんとなくニュアンスが伝わるけど、90's初め頃、ヴィネガー・ジョーやジューシー・ルーシーやスナフーの音楽を伝えるのは、なかなか難しかった。ブルーズ・ロック?ハード・ロック?、どれも違うのでブリティッシュ・サザン・ロックなんてわけ判らない表現でお茶を濁していた覚え。まあジャンルわけなんて便宜的なものだからなあ。初めてヴィネガー・ジョーの事を知ったのは、79年ごろ日本では完全限定盤という形で出たヴァージン・オリジナル・シリーズの1枚「Manor Live」だった。前衛的なそして先鋭的な音楽を紹介していた初期のヴァージンの最初の何枚かの1つがこのジャム・セッションを収めた「Manor Live」でクレジットは、スティーヴ・ヨークス・キャメロ・パーダリス。ヴィネガー・ジョーのbassで、元マンフレッド・マン・チャプター?のヨークが音頭をとって行ったセッションで、ピート・ゲイジ(g)、エルキー・ブルックス(vo)夫妻もVJから参加していた。60's末にはダダというバンドを組んでいて、これがVJに派生。アラン・ボウン・セットにいたロバート・パーマー(vo)も加わって72年にアイランドからデビュー。基本線はR&Bながら、今日的なソウル・ミュージックからの影響も強く、シャウトするエルクとソウルフルなパーマーの男女voの掛け合いがなかなか新鮮だった。メンバーはゲイジ、エルク、パーマー、ヨークに複数のdsが参加。ロブ・テイト(バタード・オ−ナメンツ)、キーフ・ハートレー(ブルーズ・ブレイカーズ)、コンラッドイシドール(ハミングバード)、ピート・ガヴィン(ヘッズ、ハンズ&フィート)etc
「Six Star General」('73)はラストLPとなった3枚目で、僕が初めて買ったVJのLP。何故か新潟にあったUKエジソンの支店でブリティッシュ70'sのコーナーで見つけた英国盤。この時点で、パーマーはすでにファンク的なソロで一般的な認知度は高かった(やはりデュラン・デュランのメンバーと組んだパワー・ステーションや、ヴィディオが印象的だった"Addicted To Love"のおかげ)

記憶がある。パーマーは70's後半にムーン・マーティンの"Bad Case Of Lovin'You"をヒットさせて僕は、知ったけど、VJ解散後フランキー・ミラーやジェス・ローデンと共に3大英ブルー・アイド・ソウル・シンガーとして注目され、アラン・トゥーサンのprodで「Sneakin' Sally Through The Alley」をリリースしている。
話を戻して、VJの3枚目は濃厚なR&B臭がやや薄れ、サザン・ソウルからノーザン・ソウルになったようなイメージ(ソウル音痴の僕の私見)をうけるが、前作から参加のマイク・ディーコン(kb〜元グレイテスト・ショー・オン・アース)の弾くsynやclavのせいかもしれない。アタマの"Proud To Be"から飛ばすが、ミディアム・テンポのねちっこいナンバーも素晴らしい。"Let Me Down Easy"は、やや下世話なgのリフながら、ツインvoで思わず押し切られるナンバー。


これはMusik Laden(独)から。エルクをセクシーと思ったことを一度もないが(^^;迫力はある。ゲイジがスライドを弾く。


これはその少し前(72年)のスウェーデンでのTVライヴ。なんとドゥービーもやったキム・ウエストンの"Take Me In Your Arms"のカヴァー。パーマーの髪型ヘン?