lady#2

Anyway
■Lives And Ladies / Family
ファミリーもメンバーチェンジが多いバンドで、初期と後期ではイメージはずいぶん違う。ロジャー・チャップマン(vo)は、「”ブリティッシュ・ロックのリトマス試験紙”で、これを好きなら本物のブリティッシュ派」なんて事が昔から言われ、全く受け付けなかった頃は、悔しい思いをしたものだったが(^^;、最近では好きとは言えないけど、まあまあかなあ、と言うレベルまで耳が慣れてきた。
70年に出た4枚目「Anyway」は、チャップマン、チャーリー・ホイットニー(g,b)、ロブ・タウンゼンド(ds)、ジョン・ワイダー(b,vn)、ポリ・パーマー(perc,kb)のラインナップの最終作。A面がライヴ、B面がスタジオ作という変則的な内容になっている。シングルヒットがないのに全英#7まで上がったというのは、ライヴを通していかに彼らが支持されてたかを物語る。ハードロックでもプログレでもないファミリーの音楽を語るのは本当に難しい。基本はR&Bをルーツにもつ白人ソウルだけど、violinやvibeといった特殊な楽器の導入が、一風変わったイメージをかもし出す。イギリスのアメリカと呼ばれる、ブリティッシュ・スワンプ系の音は、ザ・バンドの影響を強く受けているが、"Lives And Ladies"などパブロック的なムードも濃厚にある。有名曲"Part Of The Load"も収録。
voのアクの強さでは、ブリティッシュ・ロック・シーンでもケヴィン・コイン並み。シブいというかエグいというか。そんなチャップマンの叩きつけるような歌声は、なじんでくるとこれほど心強いものはない。ファミリー解散後のストリートウォーカーズが初チャップマンだったが、ストリートウォーカーズが、ハードロックとソウルを足したような感じなのに比べると、ファミリーのほうがもっと混沌としている。

動画にある"Good News-Bad News"は、ライヴ・ヴァージョンが「Anyway」に収められているが何とも重い骨太なロック。