jane#2

Yeah
■Sweet Jane / Brownsville Station
バッド・ボーイズ・ロックンロールというジャンルがある。その名の通り不良のロック。Sex,Drugs,Rock'N'Rollの3種の神器を、ライフスタイルに組み込んだ音楽。当然グラム・ロックやストーンズ、NY・ドールズ、エアロスミスなどをルーツとしている。更に先祖となるのは、東海岸のガレージ・パンク〜シャドウズ・オブ・ザ・ナイト〜。代表選手は80'sのモトリー・クルー(そもそも80's以降に生まれた言葉なのだ)。そのモトリー・クルーがカヴァーした"Smokin' In The Boy's Room"のオリジネーター、ブラウンズヴィル・ステーションも、バッド・ボーイズ・ロックン・ロールと縁が深い(彼ら自身はそういうジャンルではなく、ブルージーなハードロック〜ブギを得意としていたが、この曲はハイスクールでのバッド・ボーイズのアンセムとなった)。
カブ・コーダ(g,harp,vo)、マイケル・ラッツ(b,kb,vo)、ヘンリー・ウェック(ds)の3人を中心としたバンドで、ミシガン出身(デトロイト周辺にはMC5、テッド・ニュージェントのアンボイ・デュークス、GFR、ボブ・シーガー・システム、ストゥージーズなど強烈な個性のロックンロール・バンドが多かった)。
73年の3枚目「Yeah!」は件の"Smokin'〜"を含んだ1枚だが、ホイト・アクストンの"Lightning Bar Blues"にまじってヴェルヴェット・アンダーグランドの"Sweet Jane"をカヴァー。ヴェルヴェッツとしては後期の「Loaded」に収められたナンバーながら、ルー・リードがステージで好んで取り上げたこともあって、ヴェルヴェッツの代表曲みたいな扱いとなっている。ここではクリアなトーンのgで妙に明るい。他にも英パブロックのダックス・デラックスのカヴァーも好きだなあ。
こういうバンドを聞くと70'sアメリカのバンドの層の厚さを感じるのだ。