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■You Can Leave Your Hat On / Jim Pulte
昔はジム・パルトと呼ばれていたけど、eがあるからパルティだろうね。ムーン・マーティンらと組んでいたサウスウィンドというバンドのメンバーだけど、この人を一躍有名(一部でだけど)にしたのは、ジェシエド・デイヴィスがprodしたソロ「Out The Window」('72)。僕はこのLPのことを70's末にサンリオから出たムック本「ロック名盤のすべて」で知ったけど、sswとかスワンプを含めたそういう音を小倉エージ氏が「シンプル・ロック」として紹介していたのが新鮮だった。で、80's半ばに新宿のCHICAGOで購入。LAスワンプと呼ばれるのは、ジム・ケルトナー(ds)、ラリー・ネクテル(kb)らのバックという事もある。73年に出た2枚目の「Shimmy She Roll,Shimmy She Shake」は、日本では2in1としてヴィヴィッドがCD化した事もあったが、こちらはジョン・ヘロン(kb)、ジム・ポンズ(b〜元マザーズ)、トム・デューイ(g)、チャック・モーガン(ds)によるバンドをバックにしてる分、派手さに欠ける。基本線はスワンプと言うか枯れたカントリー・ロックで、デューイの弾くスライドも地味だけど随所で貢献。"You Can Leave Your Hat On"は、ランディー・ニューマンの「Sail Away」からのカヴァーで、パルティのpianoに乗せてけだるく歌われる。バックの演奏はニュー・オーリンズのR&Bっぽいところもあっておもしろい。もう1つのベスト曲は、タイトル曲で、ホーンズをバックにデューイのスライドが炸裂する豪快なジャンプナンバー。