gun#3

動乱(獣を野に放て)
■Tommy Gun / The Clash
77年に中学3年だった僕は、もちろんパンク・ムーヴメントの洗礼を受けているが、元来メロディアスなものが好きだったこともあって、小気味よい感じはあったけど、演奏自体がラフすぎるもの(チープな楽しさに気づいていなかった)、voががなるものはダメだった。だからピストルズはX、ジャムやストラングラーズは○、クラッシュは△(ちなみにこれが当時日本で言うところの4大英パンクだったのだ)だった。"White Riot"で77年にデビューしたクラッシュは、そのメッセージ性(というか社会に対する不満を主張)から過激な政治的なバンドと思われていたけど、早くからレゲエを吸収し、第三世界へ視線を向けた早すぎたワールド・ミュージック・バンドでもあった。
シングルだけの曲も多いけど、当時マメにラジオでOAされていたので、熱心に聞いてなくてもなんとなく聞いた気になってしまってるけど、荒々しいメッセージとは裏波に音楽は、初期でも意外としっかりとした骨格があったりする。78年の2枚目「Give 'Em Enough Rope」は邦題が「動乱(獣を野に放て)」となんとなく三島風だったり、"Safe European Home"、"English Civil War"といったタイトルから、ちょっと引いてしまうところがあるが、シングルとなった"Tommy Gun"は、なんともキャッチーな、ポップなパンク。これはprodが、ブルー・オイスター・カルトで知られるサンディー・パールマンなことと関係があるかも。いかにもミスキャストな人選だが、レーベル(CBS)側の意向だったんだろうなあ。