■■■シーラ号の謎('73米)

シーラ号の謎 [DVD]
監督:ハーバート・ロス
主演:ジェームズ・コバーンリチャード・ベンジャミン、ジェームズ・メイスン、ジョーン・ハケット
今ではほとんど読まないけど、中学の頃はガチガチの本格(推理小説〜というネーミングそのものがアナクロだなあ)派で、ちょうどハヤカワミステリ文庫が出来た年だったし創元推理の古典(だって安かった)とハヤカワを中心にそれこそ片っ端から読んでいた(和ものはほとんど読んでない)。だから当然ミステリ映画も好きだったんだけど、本格から離れた頃、その反動でアンチ本格というか、そっちに走ってしまったのでこの映画のことは見逃していた。
話は、妻を轢き逃げ事故で失った映画プロデューサーが、6人の業界人を自前の豪華ヨット(亡妻の名前を取ってシーラ号と付けられた)に招待し、一風変わった(そして悪意のある)「ゲーム」を行ううちに殺人事件が起きる。プロデューサーは招待客の中に妻を轢いた犯人がいるのでは?と考えてる節がある・・・  とまあ、クリスティーの「そして誰もいなくなった」の変化球みたいなアウトラインにおもえるけど、ネタバレなので以下略。
久々にこういう謎解きな映画を見ると、カチッとはまった感じが心地いい。ハリウッドの業界人と言う設定なので、楽屋オチとも言える話がいくつかでてくる。
それにしてもこの6人のセレクト!ホストはコバーンなんだけど(なんと女装もある!)、傍役ながらシブいメイスン、「さよならコロンバス」が印象的だったベンジャミン、イアン・マクシェインという人は知らないが、ボストンのドティ、でわかる人にはわかる(「グループ」ね)、ジョーン・ハケットやら、子どもを欲しがったケイリー・グラントの為に結婚して子どもを生んであげた(!)という事ばかりが有名な元祖グラマーなダイアン・キャノン、そしてこちらもグラマラスながら、この辺で徐々にフェイドアウトしてゆくラクエル・ウエルチ(ビキニシーンもある)と73年にしては60's中期っぽいキャスティング。更に脚本には、アンソニー・パーキンス(もちろん「サイコ」のノーマン・ベイツね)が絡んでるのも意外。
そしておまけの意外性は、エンディングがベット・ミドラーの"Friends"だったこと。僕はバジー・ラインハルト作ということしか知らなかったけど、セレクトに入れたら、マイミクのkeiさんが、これはベット・ミドラーで有名な曲だ!と言われながら、なかなかそっちのヴァージンは聞く機会に恵まれなかったものだったのだ。
DVDも出てるので興味ある方はぜひ!オール南仏ロケです。