●Gazeuse / Gong

Gazeuse
その昔持ってたのは日本コロムビアから出た日本盤LPだった(これかタンジェリン・ドリームの「浪漫」が、確か日コロ=ヴァージンの最終作だった記憶)が、あの頃の日本盤らしく、ミュージシャンはクレジットされていないし、観念的な難解な解説が書かれてる1枚だった覚え。
デヴィッド・アレンがいた頃のフリーキーなゴングと、ピエール・ムーレン(旧表記ではモエルラン)を中心としたこの時期はまるで別のバンドだ。過度期の1枚だった「Shamal」から1年、ついにマイク・ハウレットも辞め、完全にインスト志向となったゴングだけど、鍵盤奏者が去り7人中4人が打楽器というのもすごい。メンバーはピーエル・ムーレン(ds、perc)、弟のブノア・ムーレン(perc)、ミレイユ・ボーエル(perc)、ミノ・シネルウ(perc)、元ソフト・マシーンのアラン・ホールズワース(g,vn)、元マグマのフランシス・モーゼ(b)、ディディエ・マラーブ(ts,fl)。
ポップなジャケットは何を表わしてるのか不明だがインパクトがある。米盤タイトルがに選ばれた"Expresso"は、"Esnuria"と共にバンドのアンサンブルがピークにあると感じられるナンバーで、繰り出されるリズム楽器の数々に眩暈すら覚える。"Night Illusion"はホールズワース作で、リズム.gから入り、ウネウネする独特のノイジーなトーンのgをたっぷりと聞かせる。「Angel's Egg」に収められたナンバーを改作した"Percolations"は2部構成で、前作でも見られた東洋志向が垣間見える。前半はエキゾティックなゆるい感じでホールズワースは珍しくpedal-steelやviolinも弾く。後半はperc部隊が炸裂するもので、独特のdsソロも聞かれるがあの高速marimbaはすごい。
"Shadows Of"はマラーブのfluteをフィーチャーしたものでだんだんテンポが速くなる、テクニカルなもの。低音部分をサポートするafrican-dsはシネルウが担当。そして悶絶させられるようなホールズワースのソロあり。ラストの"Mireille"は紅一点のボーエルに捧げられたモーゼ作のナンバーで、初めて鍵盤が登場(モーゼがel-pを弾く)。これがハットフィールズあたりに通じる正調カンタベリー節だもの。すごい。
好みでは次の「ExpressoⅡ」だけど、久々に聞いたらこれもよかった。やはりマシーンよりもゴングが好きだ。