●Burn / Deep Purple

Burn
中古で出るまで我慢してた05年の記念エディションをやっと購入。LP時代に購入したが手放して久しく、この形で聞くのは30年ぶりか。第3期は、73年の6月のギラン=グローヴァーの脱退から始まっているが、ヒューズに限っては、それ以前からアプローチをしていて問題はなかったが、後任のvoがなかなか決まらず、ポール・ロジャースに断られ、ジェス・ローデン(ブロンコ)、ゲイリー・ピックフォード・ホプキンス(ワイルド・ターキー)、グラハム・ベル(ベル&アーク)、スニップス(シャークス)も候補に上がっていたというのも驚きだ(ライナーにある)。結局ガヴァーメントという無名のバンドにいたデイヴィッド・カヴァーデイルが後任と決まったのが9月のこと。11月にはスイスのモントルーに赴きレコーディングに入り、74年の2月にリリースとなったのがこの「Burn」。マネージメントの強硬なスケジュールにもかかわらず、十分作られた内容となっているのはバンドの勢いと若さだろう。
ある意味ではパープルというバンドのわかりやすい様式が確立された"Burn"は、今聞くとなんか笑ってしまいそうになるイントロだ。gソロ、歌、kbソロというパターンは出来上がった。ジョージ・ガーシュウィンの"魅惑のリズム"からの引用もあるという。英米でシングルになったのは"Smoke On The Water"風の"Might Just Take Your Life"で、ライナーにはバンドの"Chest Fever"からの影響もあるというすごい事が書かれている。"Sail Away"は、2期時代に書かれてたというものを改作した曲でgのリフはレインボーの"Man On The Silver Mountain"に生かされる。ジョン・ロードの弾くsynが控えめだが重い効果を上げている、ヘヴィな曲。"You Fool No One"はステージでは長くなるがコンパクトなスタジオ・ヴァージョンがいい。"Mistreated"もこの時期のステージのハイライトで、ブルージーなカヴァーデイルの歌声がいい(ヒューズは歌っていない)。ブルージーなハードロックだけど、わかりやすさもちゃんとある。元々は「肖像」の頃に書いてた曲の改作という。エンディングでのカヴァーデイルの息使いがエモーショナル。ラストの"""A""200"は不可解なインストで、ロードのsynを大きくフィーチャーしたボレロタイプのナンバー。本編はここまでで、5曲のボーナスが入っている。"Might Just〜"のB面だった"Coronarias Redig"はインストで、04年remixデなかなかカッコイイ。"You Fool〜"nのremixも全くの別ヴァージョンでおもしろい。