●Falling In Love … A Perfect Fit / Frankie Miller

Falling in Love a Perfect Fit
79年のフランキー・ミラーの6枚目。この頃になると時代の求める音とのズレがあって、複雑な感じ。俺は俺と開き直れればいいのだが、中途半端に迎合しようとすると悲惨な結果を招くのだ。今回はミール・ティケットのスティーヴ・シンプソン(g,mand)、エースのテックス・カマー(b)とフラン・バーン(ds)とポール・キャラック(kb)、MMEBのクリス・スレイド(ds)、クィーヴァーのティム・レンウィック(g)らが参加。
ボブ・マーリーの"Is This Love?"、ジョン・ハイアットの"If I Can Love Somebody"、フォー・トップスの"Something About You"(これはディスコっぽいarrだ)、オーティス・ブランダマー(ポール・ヤングがいたQティップスのsax奏者)の"Darlin'"(同じ頃「アーバン・カウボーイ」のサントラでボニー・レイットもカヴァー)以外はオリジナルで固められているが、アコースティックでメロディアスなものが多い。
オープニングの"When I'm Away From You"からしてそうだが、フォーキーではないアコースティックなものは、かなりカントリー寄りで(カントリー・ロックではなく)、ちょっと意外だった。枯れたというよりは落ち着いたという感じ。もちろん従来の"A Woman To Love"、"Papa Don't Know"みたいなブルー・アイド・ソウルの曲はあるが影が薄い。"Good To See You"は"Sailing"みたいなメロディーで、アラン・テイラーのカヴァー。この辺が第2のロッド・スチュワートを狙ったマネージメント、レコード会社の意向なんだろうか。
手持ちのCDは独Eagelから出たもので4曲のライヴがおまけとして付いているが、ソロモン・バークの"Cry To Me"、ジョン・レノンの"Cold Turley"のカヴァーが珍しい。

このアルバムからだけど、時期としてはもっとあと? 泣かせるメロディーだ。
こういういささかアナクロなバラードを聴くと、松田優作萩原健一原田芳雄など70's後半の日本の俳優たちのブルージーなロックを思い出す。