パイプを吹かして

アードヴァーク(紙ジャケット仕様)
■Put That In Your Pipe And Smoke It / Aadvark
手袋、マフラー、傘、文庫本… 患者さんの忘れ物の多いところは今の時期ではこんな感じだったが、昨日は、パイプを忘れものがあった。パイプ!実物を見るのは初めてだが、待合室で吸ってたわけではなく(言うまでもなく禁煙だから)、お出かけセットみたいなケースに入ってたもの。それにしても、何かすごいな。
で、パイプにまつわる曲で思い出したのが、アードヴァークの唯一のアルバムのラストに入ってたこの曲"パイプを吹かして"。アードヴァークはもともとの意味は、ツチブタという動物だけど、そのスペル(aadvark)から、「始まり」みたいなスラングがあって、「from aadvark to zymurgy(ツチブタから醸造学まで)」となると最初から最後までといった意味らしい。さて英デッカのアンダーグラウンドなレーベル、デラムの傘下にあったノヴァは、更に非商業的な音を出すバンドをリリースしていた。70年の唯一のアルバム「Aadvark」は近年ユニバーサルから紙ジャケで出たけど、その昔は廃盤専門店で知られたエジソンが立ち上げたレーベルからリリースされていた。gなしのkb、vo、ds、bの4人組で、いわゆるオルガンロック。プログレというよりは、サイケデリックの範疇にあった音で、歪んだノイジーなorgの音が暴力的なトーンもあってなかなか印象的。70's初めには特にイギリスでこういったorganを聞かせるバンドはそれこそ掃いて捨てるくらいあったが、忘れるには惜しい。
件の"Put That In Your Pipe And Smoke It"は、パープルの"Space Truckin'"の元ネタでは?と思わせるインストで暴走するbassといい、いくらかやけくそ気味。voのデイヴィッド・スキリンという人はあまりうまくないが、歌ものも悪くない。orgのスティーヴ・ミリナーはそのあふれる才能を、伸ばすことが出来なかった。残念。