07年のガッカリちゃん1

今年よく聞いた10枚は前に挙げたけど、買ったものの中ですでに手元になかったりするものもあって、なかなかキビシイ。もちろん好みの問題、テイストが口に合わなかった、求めていたものとは違ったなどいろいろ理由はあろうが… ではガッカリちゃん10枚を挙げてみよう。今日はまず前半戦。

▼Jack Of Diamonds:John Phillips(Varesse Sarabande '07)
Jack of Diamonds
ママス&パパスのジョン・フィリップスの未完に終わった幻の2枚目ソロをあちこちの音源で再構成したマニアックな内容。ママス&パパスは好きだけど、ジョン・フィリップスのソロとなると何となく相性が悪くて「John The Wolfking Of LA」も結局手放してしまった。いかにも寄せ集めで、曲も貧弱な印象を受ける。バックにはクルセーダーズの面々が加わったものもあって、早すぎたAOR的な感じもあり。タイトル曲はデッドもライヴで取り上げた"Me And My Uncle"のこと。当時シングルで出た"Revolution Of Vacation"はジェリー・ガルシアのsteelも入ったカントリー・ロック(そのB面の"Cup Of Tea"ではレッド・ローズがsteel)。そのガルシアは"Campy California"でvoも聞かせる。また手がけていたミュージカル「Man On The Moon」、映画「バードシット」(見たい!)からの曲もある。レココレ誌'07.11月号で紹介

▼ドリーミン・マイ・ドリームズ:マリアンヌ・フェイスフル(エア・メール・レコーディングス'07)
Dreamin' My Dreams
すでにここに書いたが、マリアンヌ・フェイスフルが正式にカムバックする前の助走となった76年のNEMS盤。レコード会社は英国版エミルー・ハリスの線を狙ったというが、見事な失敗作というか、いわゆるカントリー・ロックではなく、カントリーだった。オリジナルに忠実な紙ジャケで売っているエア・メイルだけど、これはジャケットのピントも甘いし(そういうのがオリジナル?)、細かいクレジットもなし。更にマリアンヌ・フェイスフル&グリース・バンドというオリジナルにない表記で、UKスワンプファンに気を引こうとしている。"Honky Tonk Angel"は素晴らしいけどね。

▼クウィヴァー(マスクラット'04)
クウィヴァー(ファースト・アルバム)
これもすでにここで書いた。英国ロックの裏名盤とか書かれてると、ちゃんと聞いてないなあとも思う。好みの問題だけど、「名盤」では決してないでしょう。ティム・レンウィック参加の習作程度という認識でよいのでは?あとクウィヴァーではなく、クィヴァーでよいのでは?

▼Crazy Horse Roads:Stained Glass(Fall Out'07)
Crazy Horse Roads
全く知らなかったバンドだけど、カリフォルニア産のサイケ・ポップという評価と、衝撃的な首吊りジャケに惹かれて購入。まあ好みが合わなかったといえばそれまでだけど… 68年にキャピトルから出た唯一のLPに66年から68年までRCAとキャピトルに残したシングルをボーナスに。ビートルズの"If I Neede Someone"のカヴァーあり。なんでもジム・マクファーソン(b,vo)は後にジョン・シポリナのコパーヘッドに参加した人だとか。

▼Look Inside:Asylum Choir(Rev Ola'07)
Look Inside the Asylum Choir
これもここで紹介。リオン・ラッセルとマーク・ベノのプロジェクト、アサイラムクワイアの1枚目('68)でもっとスワンプ的なものを期待したけど、人口着色料がけばけばしい白人によるサイケ・ポップだった。求めていたものが違ったのだ。レココレ7月号で紹介。