ねずみ#2

Heavy Horses
■One Brown Mouse / Jethro Tull
僕はファミリーやストリートウォーカーズはOKだけど、ジェスロ・タルはどうも・・・
イアン・アンダーソンの濃いキャラが合わないのか?それでも80's初めに何度かトライしてみた。
2枚組ライヴの「Burstin' Out」(聞くのに迷ったらまずライヴ盤の法則)、渋谷陽一の放送「サウンド・ストリート」だったか「ヤング・ジョッキー」だったかでかかった「Heavy Horses」もそう。ちょうど70's後半にはトラッド色を強めて、フォーク好き(と当時は自分で思っていた、フェアポートとか聞いたことなかったのに)なんで大丈夫だろう?と思って・・・

 知ってる人は知ってるが、ジェスロ・タルというのは苦手なバンドです。
60's終わりから現在まで活動する息の長いブリティッシュ・バンドで、中心人物のイアン・アンダーソンの案山子のように、一本足でフルート吹くステージ・アクションや、演劇的なステージ、変拍子の嵐、激しいメンバーチェンジ、長い曲、というのがイメージ。 紙ジャケ(ちなみこれも僕は反対派であります。愛好家の方々には申し訳ないけど、「うれしい紙ジャケでの再発」とか書いてある雑誌のレヴューには、怒りを禁じえません)でのCD化が、思いのほか好評で、ネット上でもコアなファンが多数いる事に驚きですが、代表作として挙げられるトータルアルバム「ジェラルドの汚れなき世界」や「パッションプレイ」など、きっと針のむしろだろうなあ(未聴です)。
 さて、78年の「ヘヴィ・ホーシズ」は、最初に聞いたタルのアルバム。例によって、渋谷陽一のFMだったけど、わりと聴きやすい印象だった。前作「ソングス・フロム・ザ・ウッド」で、トラッド路線に返ったけど、ここでもアコースティックな「森」的なイメージ。この曲は、わりとポップにまとまった小品。といってもこの程度で、タルというバンドの本質なんてわからないが。

恥ずかしながら、03年のさるさる日記「On The Border」に書いた事と下書きでほとんど同じことを書いたので、思い余って引用。付け加えると77年の「Songs From Wood」で見せたフォーク志向(スティーライ・スパンのprodもアンダースンは手がけている)を発展させた形。70's初め頃と比べるとさすがにセールスも落ちては来ているが(このバンドがアメリカのチャートの上位に常にいたというのが、なんとなく信じられない)、それでも最高位#19というチャート・リアクションは立派。
"One Borwn Mouse"は、アンダーソンの吹くリコーダー(昔はこれもflだと思ってた)が印象的。アルバムの中でも一番メロディアスかな。