このハモ聴 #2ロン・デイヴィーズ

サイレント・ソング(紙ジャケット仕様)
● Silent Song Through The Land / Ron Davies
日本ではロン・デイヴィスと表記されるが、Daviesなのでデイヴィーズもしくはデイヴィースだろう(まずお断り)。かつて帽子を飛ばしたジャケットの「UFO」('73)というLPが日本で紹介された時、線の細いスワンプ系のsswというイメージだった人だけど、70年の「Silent Song Through The Land」(A&M)では、シンプルなスワンプ・サウンドでちょっとビックリした。スワンプというと骨太とか、ゴージャスなゴスペル的なコーラスとか、重いリズムで表現されることが多いけど、デイヴィーズの場合、少なくともこのアルバムでは軽やかなフットワークが印象的。ジム・ケルトナー(ds)、マイク・ディージー(g)、チャド・スチュワート(b)、ラリー・ネクテル(kb)らが参加。
"It Ain't Easy"は、シブいブルージーなアコギのソロから始まり、一転してゴスペル風コーラスがからむ枯れたスワンピーな名曲。スリー・ドッグ・ナイト、デイヴィッド・ボウイが取り上げているが、どちらもすっと思い出せない。デイヴィーズの吹くハーモニカはこのスカスカの音によく似合う。他にも"The Clown"でフィーチャー。