このハモ聴 #3クライマックス・シカゴ

リッチ・マン(紙ジャケット仕様)
● Rich Man / Climax Chicago
クライマックス・ブルーズ・バンドも多くの英国産ブルーズ・ロック・バンド同様、時代と共に変遷の歴史をたどってきたバンドだ。初期にはガチガチのシカゴ・ブルーズ・スタイルだったが、72年の「Rich Man」あたりから音楽の幅を広げ始め、ここではプログレ風、南部風、ボ・ディドリー風と多彩なスタイルに挑戦。そのすべてが成功してるとは言いがたいが、フリートウッド・マック同様早い時期からブルーズ・ロックからの脱皮を試みている(その後「Stamp Album」ではブルーアイド・ソウル的な音、さらにこれを発展させてAOR風味に変化)。ここでの名義はクライマックス・シカゴ。コリン・クーパーという人はピート・ヘイコック(g,vo)と共にバンドの中心人物だが、vo,sax,gにharpをこなす。"Shake Your Love Tonight"は、ボ・ディドリー・ビートを生かしたノリのいいナンバーで、泥くさいスライドとハーモニカの掛け合いは、なかなか楽しい。