08006 The Gregg Allman Tour


今気がついたのだけど、ここにはグレッグ・オールマンというアーティスト表記がない。24人編成のオーケストラを含めたバックバンド(オールマンズからチャック・リーヴェル(p)とジェイモー(ds)、カウボーイのスコット・ボイヤー(g)、トミー・タルトン(g)、ビル・スチュワート(ds)、後にディッキー・ベッツのグレート・サザーンのケニー・ティベッツ(b)、ランドール・ブラムレット(sax)以下4人のホーンセクション(ハングリー・チャックのピーター・エクランド(tp)も)をひっくるめてという事を強調したのか?73年に出た初ソロ「Laid Back」のプロモーションを兼ねた74年のツアーから、NYとニュー・ジャージーのパサイックでのライヴをまとめたもの。
オーケストラとホーンズ、コーラスが加わっている関係上、シンプルというのとは対極にあるゴージャスなライヴ。「Laid Back」ではソウル・ジャズ的な切り口を見せて、それはこの後の「Playin' Up A Storm」でピークとなるのだけど、ここでもファンキーな都会的なarrがおもしろい。ブラムレットのsax、リーヴェルのエレピのソロをたっぷりとフィーチャーした"Queen Of Hearts"、R&B色が強調されたオールマンズの"Stand Back"がおもしろい。後者は戸惑うけど。ゲストのカウボーイが2曲やるものもしっかり収められていて、そのあたりが冒頭に書いた一体化したパッケージショーを指しているのかも知れないということ。オールマンズの"Dreams"も取り上げられているが、これはarr的にはさほど違和感はない。むしろ"Are You Lonely For Me"や"Turn On Your Lovelight"といったR&B〜スタンダードのカヴァーの方が、グレッグ・オールマンの趣味性、ルーツを探る部分があっておもしろい。そしてラストの"Will The Circle Be Unbroken"はゴスペル風味満点で素晴らしい。ホーンズ、オーケストラが余計だなあと思う瞬間は多々あるが、まあ良しとすべきか。
原盤/Capricorn:CP0141