08012 Little Queen:Heart

Little Queen (Exp)
僕がはじめて聴いたハートの曲はこの77年の2枚目のトップに入っていた"Barracuda"で、コンパクトなハードロックなんだけど、リズムの切れがよくてビックリした覚え。日本ではファーストが契約の問題(Mushroomというインディーから出たけど、Epic傘下のPortraitが強引なやり方でバンドと契約し、MushroomとバンドとPortraitを訴えた裁判となった)でなかなか出なかった事もあったし、何しろ美人姉妹をフィーチャーしたハードロックと言うことで話題にはなっていた。
前作は「海」的なSEが盛り込まれていたが、今回は「森」的なイメージ。ライナーにはトールキン的なファンタシーの世界を狙ったとある。こういうのにも当時の僕ははまったのだ。
"Barracuda"は、先にも書いたがストレートなロックンロールで、とにかくdsがカッコイイ。#11まで上昇したファースト・シングル。"Love Alive"はアン・ウィルソンのflをフィーチャーしたもので、静と動のバランスがうまい。インストの"Sylvan Song"と"Dream Of The Archer"は英フォーク的なニュアンスのナンバーでジャケットのイメージ(ジプシー、フェアリーテイル・・・)をかもし出す。
"Kick It Out"はシンプルなロックンロールで小粒な感じ。初期のイーグルスがよくやってたラフなロックンロールを思い出す。タイトル曲はやや重いファンクで、改めて聞くと鈍い光を放つ魅力がある。ブルージーな"Treat Me Well"ではアン・ウィルソンがハーモニカを吹いている。楽しげな"Say Hello"は後のパット・ベネター("Ooh Ooh Song"とか)を思い出す。ハードな面とソフトな面がうまい具合にバランスを取ったのがこのセカンドの成功だろう。フォーキーな"Cry To Me"からドラマティックな"Go On Cry"につながってゆく様はこのバンドの本質をうまく表わしている。
ボーナストラックは2曲。"Too Long A Time"は"Love Alive"の初期ヴァージョンで、歌詞は全く違うし、arrも変えられていて新鮮。もう1つは76年のライヴでゼッペリンの"Stairway To Heaven"を取り上げたもので、これはまあどうでもいいか。
原盤/Portrait:34799