08021 Downwind:Perre Moerlen's Gong

ダウンウインド(紙ジャケット仕様)
ずっとどうしようかなあと思ってたけど買い直しで購入。ピエール・ムーラン(昔はモエルランと言っていた)ズ・ゴングの79年作。当時の日本盤の邦題は「追い風」だった。「Gazeuse」あたりからパーカッシヴなジャズ・ロックを展開していたゴングだけど、ヴァージンからアリスタに移った本作では、ムーレン1人がジャケットでポーズを取る、ムーレンのソロ的なニュアンス。ライナーによれば、当時のアリスタクロスオーヴァーフュージョンに力を入れた方針とも一致したというのは、新鮮な見解だった。ムーレンが歌う(更にkbを弾く)2曲(うち"What You Know"はミック・テイラーがgで参加)は別として基本的には、パーカッシヴなジャズ・ロックなれど、前作では3人いたパーカッション軍団のうちミレイユ・ボーエルが脱退して、弟のブノア(vb)、ハンスフォード・ロウ(b)、ロス・レコード(g)、フランソワ・コウス(perc)にピエール(ds、marimba、vb、kb、vo)の5人体制となっている。kb/syn類の導入によりpec乱れうちと言った感じがあった前作の自然美から人工美に移った感じがある。目玉はマイク・オールドフィールド(g)が参加したタイトル曲で、まだ大作主義だったオールドフィールドの作風にオリエンタリズムが乗っかったムーレンズ・ゴングならではの味わい。ゴング時代の盟友、ディディエ・マラーブ(sax)、隠遁中だったスティーヴ・ウィンウッド(syn)、マイクの弟、テリー(fl)も参加している。"Crosscurrents"は、ディディエ・ロックウッド(violin)が参加したもので、ファンク的な味わいもあるもう1つの代表曲。"Emotions"と"Xtasea"は、violinとvbの織り成す世界が美しい。
BMG:BVCM37763 原盤/Arista:SPART1080-UK