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Front Page News
■The Day I Found Your Love / Wishbone Ash
些細なことでも覚えてるのは、やはり感受性が高かったことと、情報が限られてたからだろうね。
ウィッシュボーン・アッシュの77年の「Front Page News」は当時渋谷陽一DJの「ヤング・ジョッキー」で2曲紹介された。ロックの新譜がきちんと最後までかかって、紹介されるFM番組は、実は当時あまり多くなくて、渋谷陽一と言う人は、高校生の僕から見ても、理想的な紹介者とは思えなかった(知識不足を奇妙な独断と偏見で押し切った)けど、まあ貴重な存在だった。その日のメインは、クラプトンの「Slowhand」だった気がするが、そちらでかかった"Peaches & Diesel"とアッシュの"The Day I Found Your Love"のメロウな感じが酷似していたことははっきり覚えてる。いや酷似というのは、むしろ"714"の方だけど。
テッド・ターナー(g)が脱退して、ホームにいたローリー・ワイズフィールド(g)が参加、アンディ・パウエル(g)とのツインリードスタイルになったのだけど、活動の場所をアメリカに移し(セールス的にはパッとしなかったが)、ビル・シムジクやトム・ダウドといった米prod'erで作られた作品は、どれも地味な印象だった。かつて某ボードでアッシュはハードロックか?という論争があったけど(まあ感情論に終始した不毛な争いだ)、少なくとも70's半ばは、ハードロックというのものではない(便宜上そういう風に分類はされるけど)。この「Front Page News」はサザンロック風あり、クロスオーヴァー風インストあり、メロウなバラードありとヴァラエティに富みすぎている嫌いはあるが、なんとなく懐かしさを感じさせる1枚。この"The Day I Found Your Love"はノークレジットなsaxが意外、という評を昔ML誌で見た覚えがあるが、書くことないのか?と正直レヴューアーに対し思った。
prodはロンとアルバートのハウィー兄弟でとくれば当然マイアミのクライテリア・スタジオ録音。