same#3

Takin My Time
■I Feel The Same / Bonnie Raitt
ジョン・ホールがprodしたボニー・レイットの「Takin' My Time」('73)は、当時日本では紹介されず、初来日の77年に来日記念盤としてリリースされたもの。前作「Give It Up」がベアズヴィル録音でバリバリのウッドストックサウンドだったのだけど、あれはボニーの本質ではない(素晴らしいけど)。むしろこの3枚目から「Sweet Forgiveness」にいたる道のりこそ、本質ではないかと考える。
ここでは、LA録音で、相棒のフリーボ(b)、ジム・ケルトナー、アール・パーマー(ds)、ビル・ペイン(kb)、ローウェル・ジョージ、ホール(g)らが参加。"I Feel The Same"は盟友、クリス・スミサーの作品でミルト・ホランドの叩くタブラがどことなく不気味なムード。ローウェルがスライドを弾くが、それほどのカタルシスはなく、不完全燃焼なのが逆にブルーズ的にも思える。同時代のソングライターとして、おなじみのジャクソン・ブラウンやランディー・ニューマン、ジョエル・ゾスも取り上げているが、ミシシッピ・フレッド・マクドウエルの"Kokomo Blues"でナショナル・スティールを弾きまくる。