2008-08-30 ■■■失われた町:三崎亜記(集英社) 読書 お気に入りの作家が誕生する瞬間は至福の時だ。1冊読んでよかったと感じた幸福感が別の本でも持続する楽しみ。 村上春樹、宮部みゆき、京極夏彦、恩田陸、島本理生、柴崎智香、宇江佐真理、伊坂幸太郎この人たちの新作は無条件に読むという第1グループがあって、作品によっては、という条件付きながらの第2グループ(大沢在昌、乃南アサ、桐野夏生、石田衣良、重松清、横山秀夫)が続いている。「となり町戦争」「バスジャック」の三崎亜紀は3作目にして、第1グループ入りした。古くは村上春樹の「世界の終りと〜」や椎名誠の「水域」「武装島田倉庫」 などに通じる世界観をもったSF風連作で、なかなか素晴らしい。