08052■■■アスファルト・ジャングル('50米)

監督：ジョン・ヒューストン
主演：スターリング・ヘイドン、ルイス・カルハーン、ジーン・ヘイゲン
ジョン・ヒューストン監督は長いキャリアを通していろいろなタイプの作品を撮ってきましたが、この人の生涯のテーマは「長い時間かけて努力した事（大体がよからぬ事）が結局水の泡となる」というもの。古くは初期の代表作「黄金」('48)から「白鯨」('56)、「王になりたかった男」('75)まで一貫しています。改めてその長いキャリアを見てみるといまでは語られることが少なくなったタイプの作品も多く見られますが、監督デビューとなった「マルタの鷹」からしばらくは「キー・ラーゴ」、「アスファルト・ジャングル」など男性タッチのハードな映画を撮る監督というイメージがついていました。本作は、WR・バーネットの同名原作の映画化で犯罪をテーマにした群像劇で、半世紀前の作品とは思えない新しさがあります。キャストの中心は今となっては語られることの少ない50'sのB級映画の役者ばかりです。ディックス役のスターリング・ヘイドンはキューブリックの同じような犯罪映画の傑作「現金に手を出すな」('55)にも出演してた人。マリリン・モンロー演じる若い愛人を囲ったルイス・カルハーンは同年の「アニーよ銃をとれ」にも出ています。他にはジェームズ・ホイットモア、マーク・ローレンスら。
DVDのパッケージを見るとモンローが大きな役のような感じですが、ほんの端役。とはいってもモンローのキャリアのスタートともいえる重要な役です(andキュートです）。

The Asphalt Jungle、1h50、MGM