easy#2

Writer
■No Easy Way Down / Carole King
ザ・シティはまったく売れはしませんでしたが、とりあえず(作品を)書くだけから再び歌おうというキャロル・キングの意気込みは買えます。68年にOdeから出たこの「Now That's Everything's Been Said」は、90'sに日本のエピック・ソニーがCD化するまでは相当なレアアイテムでして、僕は下北沢のWINDで、モノクロジャケのリプロ*1と言われるやつを3000円台で購入していますが、最初は思ってたよりショボくてずっこけた覚えがあります。
夢語り
さて、パフォーマーとしての復帰がバンド編成となったのは、キャロルのステージ恐怖症があったとされてますが、結果的に70年にファーストソロとしてリリースされたのが、この「Writer」です。その次がメガヒットとなる「Tapestry」なのでずいぶん冷や飯を食わされているアルバムですが、ザ・シティの2/3が母体となったジョー・ママ*2がバックを務め、クーチつながりでジェームズ・テイラーもgで参加しています。収められた12曲は、ドリフターズの"Up On The Roof"、トム・ノースコット*3の"Spaceship Races"、バーズの"Goin' Back"*4、メリリー・ラッシュの"Child Of Mine"、ルルの"I Can't Hear You No More"などかつて他人に書いた曲が中心です。

最近でも歌っています。

先日取り上げたダスティ・スプリングフィールドの「Dusty In Memphis」にも収められた"No Easy Way Down"は、ソウルフルなメロディーをもったバラードで、チャールズ・ラーキーのbassが印象的な曲です。ダスティの歌声と比べると、シンガーとしてのクラス違いが歴然となりますが、本人のヴァージョンもなかなかいいと思います。

"To Love"は、聞き覚えのあるメロディーなので調べてみるとマシューズ・サザーン・カンフォートがカヴァーしていました。

*1:ブートレッグと同義語でしょうか?

*2:ダニー・クーチ、チャールズ・ラーキー(当時のキャロルの夫)のザ・シティにジェームズ・テイラーのいたフライング・マシーンのジョエル・オブライエン(ds)、ロッキー・ホラー・ショーの初代キャストだったアビゲイル・ヘインズ(vo)、クリアライトのラルフ・シュケット(kb)の5人組でAtlanticに残した2枚のLPは、クラブ世代に高い評価を受けましたが、リアルタイムでは知る人ぞ知る存在だったようです。実際ソウル・ジャズ・ラテンからの影響が強くて、昔はあまり手が伸びなかったものでした

*3:バーバンク・サウンドを語る時にはいつも名前が出ながらシングル作品の(LPは出してない、確か)CD化が遅れているカナダのssw

*4:キャロルは、79年の「Pearls」で再演。こんな職業作家のコマーシャル名曲はやりたくない、とデイヴィッド・クロスビー脱退の原因となったいわくつきの曲です