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Steve Winwood
■Time Is Running Out / Steve Winwood
トラフィック解散後、ファニア・オールスターズ、ツトム・ヤマシタズ・ゴーなど客演が多かったスティーヴ・ウィンウッドが77年に完成させた初ソロ「Steve Winwood」です。当時再結成スモール・フェイシズの「Playmates」と共に、復活したヴェテランの新作として大いに話題となりました。「Music Life」誌でも特集が組まれたような記憶。僕としてはずいぶん地味に感じたのですが、ヒット曲なしで#22まで上がったヒットとなりました。基本的に少ないメンバーで録音されており、アンディー・ニューマーク(ds)とウィリー・ウィークス(b)という一時期もてはやされたゴールデンコンビ*1("Vacant Chair"のみ、アラン・スペナー(b)、ジョン・サスウェル(ds)のココモのリズムセクション)以外はほとんどウィンウッドの手によるもので、曲によってバザー・ジェイムズ、リーバップ(perc)、ウエイラーズのジュニア・マーヴィン(g)が加わるくらい。"Midland Maniac"に至っては次作以降の姿をイメージさせる、マルチダビングの世界です。
"Time Is Running Out"は、トラフィック時代の友人、ジム・キャパルディが歌詞を書き、ウィンウッド夫人のニコルとともにコーラスで参加しています。切れ味鋭いファンク・チューンですが、クールな感じがあります。これに比べると人肌というか陽だまり的な"Vacant Chair"はなんともあたたかです。

僕が大好きなのは次の「Arc Of A Diver」('80)で、後期トラフィックでおなじみのイラストレイター、トニー・ライトによるジャケットのイラストが印象的。全部ウィンウッド一人の録音で、あたたかな感じのsyntheの使い方がいいです。とりわけ"Slowdown Sundown"でのソロは絶妙。A面は浴びるように聞きました。


続く「Talking Back With The Night」はつまらなかったです。ヴァレリー・カーターを歌ったとされるこれくらい。

*1:ロン・ウッドジョージ・ハリスンジョー・ウォルシュなどのアルバムにセットで参加