rock'n'roll#3

Mott the Hoople
■Rock And Roll Queen / Mott The Hoople
2年前にIsland時代、CBS時代の諸作が丁寧なリマスター、ボーナス、紙ジャケでCD化されたモット・ザ・フープルですが、一般的には、まだグラムロックとして評価されているようです。このグラムなイメージは、起死回生のヒットとなった「All The Young Dudes」(プロデュースはデイヴィッド・ボウイでタイトル曲はボウイ作。いともあっさりこの名曲を渡してしまったことを本人は後悔してるらしい)以降のCBS時代のブレイクによるものでしょう。サングラスにカーリーヘアのイアン・ハンター、メイクをしたアリエル・ベンダーのいでたちは、日本でもイエロー・モンキーあたりに継承されています。
それでも僕としては低評価の初期、すなわちIsland時代に思いをはせるのです。
バンド名はウィラード・メイナスという作家のキャラクターから取られたと言われています。69年にガイ・スティーヴンスのプロデュースでワニのジャケットのファースト「Mott The Hoople」でデビュー。ハンターの歌い回しは、ボブ・ディランからの影響が大きく、ブルー・アイド・ソウルな緩やかなナンバーが魅力です。ソニー&シェールのソニー・ボノの"Laugh At Me"、インスト化したキンクスの"You Really Got Me"のカヴァーもあります。シングルカットされながら、ヒットしなかった"Rock And Roll Queen"は、ストーンズ風(のちにストーンズは"Bitch"でイントロのリフを拝借、長い間ストーンズの方が先と思ってましたが逆でした)の疾走感あるサウンド。作者はgのミック・ラルフスです。メンバーはオヴァレンド・ワッツ(b)、デイル・グリフィン(ds)、ヴァーデン・アレン(org)にハンター(vo,p)、ラルフス(g,vo)の5人。
試行錯誤を繰り返したIsland時代は4枚のLPを残しましたが不発。解散を決めたのち、ボウイの意向で再チャレンジした「All The Young Dudes」('72)が当たったという次第です。

71年の熱いステージ。後半のorganがパープルっぽい。


スペクター・タッチの"Foxy Foxy"は、ラルフスが("Can't Get Enough"が不採用になった事が原因でハンターと仲たがいして)脱退し、代わってスプーキー・トゥースからルーサー・グロヴナー(契約の関係でアリエル・ベンダーと名乗ります)参加後のシングルです。


大好きな"モット・ザ・フープル物語"。これはミック・ロンソン加入後の74年のシングル。