life#3

ヴォランティアーズ~アップグレイド・ヴァージョン(紙ジャケット仕様)
■Turn Down Your Life / Jefferson Airplane
ジェファーソン・エアプレインの最高傑作はやはり69年の「Volunteers」でしょう。これはヴェトナムの泥沼と反戦に揺れるあの時代抜きには語れないでしょうし、平和ボケした日本人である僕はイマイチ切実に感じられない部分もあるのですが。この時期は、マーティ・バリン(vo)、ポール・カントナー(g,vo)、ヨーマ・コウコネン(g,vo)、グレイス・スリック(vo)、ジャック・キャサディー(b)、スペンサー・ドライデン(ds)の6人にゲストとしてニッキー・ホプキンス(p)、スティーヴン・スティルス(org,vo)、ジェリー・ガルシア(steel)、エース・オブ・カップス(vo)らをゲストに迎え録音されています。その後ウッドストックとオルタモントという光と影のような2つのフェスを経験した69年のエアプレインはなんと力強いのでしょう。
熱心なエアプレイナーの間では3枚目の「After Bathing At Baxter's」が一番と言う評価らしいですけど、僕はそのアルバムにどうしてもなじめなませんでした。ヨーマのgも何故かしっくり来なかったのですが、このアルバムではその歪み具合もカチッとはまるようにしっくり来るのです。これはもう相性としか言いようがありません。このLPをはじめて聞いたのは高校時代の友人K太郎君ち(正確には狛江の非常にわかりにくい場所にあるのアパート)でしたが、その夜のこと(当然カセットに録音した)の事は不思議によく覚えています。
ウッドストック」のサントラに入っていたタイトル曲と最初は区別がつかなかった"We Can Be Together"(歌詞の問題でRCA側と揉めてリリースが遅くなったと言います)から始まって、ヨーマのサイケデリックなgが大きくフィーチャーされた"Good Shepard"、一足早くCS&Nのアルバムで紹介された"Wooden Ships"(カントナーとCSとの共作で、複数のvoがフリーフォームに出入りするエアプレインのスタイルは手垢が付いたフレーズですが「シスコの自由な空気を象徴している」と今でも思います)あたりは昔からのお気に入りでしたが、最近はヘヴィな"Eskimo Blue Day"(エコロジーのことを歌ってるのかと思っていた)も飛ばさずに聞くことが多いです。

ヨーマのラグタイミーなgのイントロでスタートする"Turn Down Your Life"は、マーティのvo曲ですが、エース・オブ・カップスのコーラスも交え、複数のvoが出たり入ったりする様はなかなか心地いいです。organはスティヴン・スティルスでいい味を出しています。
ここでコーラスを担当するエース・オブ・カップスは、シスコ出身の5人組ガール・グループで長い間謎の存在でしたが、英Big BeatがCD化して一部知られるようになりました。
IT'S BAD FOR