turn#3

アウト・オブ・ザ・ブルー
■Turn To Stone / Electric Light Orchestra
エレクトリック・ライト・オーケストラなんていまでは誰も言いませんよね。それだけELOという名称が定着しています。ELOのロゴが入った円盤は76年の「A New Record」、77年の「Out Of The Blue」、79年の「Discovery」のジャケットに見られます。この頃がまさしく絶頂期だった気もします。僕としてはちょうど大作「Out Of The Blue」の世代。高校の友人、T内君は大枚はたいてこの2枚組を買い、借りた覚え。長岡秀星による(そしてSFブームだったあの頃とリンクした)ジャケットも印象的でした。元々クラシカルなストリングスものは苦手だったのですが、ELOに限ってはメロディーのポップさがその苦手意識をねじ伏せてしまう気もします。最初のシングルはこの"Turn To Stone"でした。今聴けば、ロネッツの末期のシングル"You Came,You Saw,You Conquered"へのリスペクトしたようなポップソング(更に言えば大瀧詠一が書いて、渡辺満里奈が歌ったちびまるこの曲"うれしい予感"もその仲間です)とわかるのですが、あの当時はどうやってこういう音を出してるのか、見当もつかない音圧でした。

"Mr.Blue Sky"

"Sweet Talking Woman"

とつづけてシングルが出ましたが、どれもめくるめくようなポップさで、根がポップスな僕にはうれしかったですね。その頃過去の作品(Jetと言うレーベルは東芝EMI、キングそしてCBSソニーから出た)も手軽に聞けるようになって手を出したのですが、本作ほどのポップさはなかった覚えです。
次に出た「Discovery」の頃にはELO熱もすっかり冷めてしまったのですが、それはそのアルバムがかなりの売れ線路線に走ったこともあるでしょう。その後はヒット曲をラジオで聞く程度だったのですが、ムーヴやロイ・ウッドにはまりだすと、再び「Out Of The Blue」に戻ってきてしまう、なんとも因果なアルバムです。