stone#2

MOONSTONE
■The Moonstone / Tommy Flanders
トミー・フランダースの事を知ったのはきよさんのサイトだった気がします。アル・クーパーがいたことで知られるブルーズ・プロジェクトの初代voで65年のデビュー作、「Live At The Cafe Au Go Go」(Verve)リリース前に脱退した人。
Live at Cafe Au Go Go
そのブルーズ・プロジェクトは、ホワイトブルーズの代表選手と言われますが、黒人ブルースの模倣というよりも、NYのグリニッジ・ヴィレッジ周辺のカルチャー色濃い、フォークロックあり、ジャズロックあり、フォーク・ブルーズありのスタイルで、同じアメリカの白人ブルーズでもシカゴのポール・バターフィールドあたりと比べるとかなり「白い」です。
そのフランダーズのソロ(これはなんとlilythというロシアのレーベルから出たCD)は69年にリリースされたもので、なんともフォーキーな香りが素晴らしい。ディック・ロスミニ(g)、ジェリー・シェフ(b)、ブルース・ラングホーン(g)、デニス・マッカーシー(g)、マイク・ボッツ(ds)が参加。音の手触りは、バッファロースプリングフィールド(スティルスもヴィレッジ周辺で活動していた)を思わせる部分があります。"Purple And Blue"はこの中でもブルージーな方だけど、品のよさが漂うもの。全体に線の細さと独特の暗さが魅力となっていますが、"Since You've Been Gone","Blue water Blue","Morning Misty Eyes"あたりの前半が素晴らしいです。
タイトル曲の"The Moonstone"はサイケデリックな味わいもありますが、いかにも東部のサウンドという感じがします。少なくともLA周辺の音ではありません。
これほどの逸材でありながら、残したソロはこれ1枚とはいかにも惜しいです。
きよさんはここでもとりあげています