stone#3

Live
■Too Rolling Stoned / Robin Trower
アリス・クーパーテッド・ニュージェントがそうであるように、ロビン・トロワーもまたギタリストであり、彼を含むバンドの名前でもあります。そろった前髪、やや前傾気味で恍惚の表情を浮かべながらギターを弾くショットが有名な人ですが、元プロコル・ハルムとはなかなか信じられないです。初期のプロコル・ハルムではその個性は、十分発揮されたとは言い難いですが、中期の「Borken Barricades」でのジミ・ヘンドリックスに捧げたナンバーで開眼したと言われています。
Broken Barricades
プロコル時代の同僚マシュー・フィッシャーのprodによる「Twice Removed From Yesterday」('73)がソロデビュー作です。トロワー(g)、元ストーン・ザ・クロウズのジム・デューワー(b,vo)、元ピーター・バーデンス・グループのレグ・イサドア(ds)*1によるシンプルな編成です。トロワーはこのトリオ編成にこだわり、3枚目「For Earth Below」でイサドアからビル・ローダンにdsが代わってからもこのスタイルを貫いています。
さて4枚目のLPとしてリリースされたのは、ストックホルムでのライヴで、シンプルに「Robin Trower Live!」とタイトルが付けられています。とにかく弾きまくりの1枚で、これに近いテイストはやはり同じヘンドリックス・イミテイターのフランク・マリノ率いるマホガニー・ラッシュのライヴ盤ですね。基本線はブルーズに影響を受けたハードロックですが、比較的長めの曲でも退屈さを感じさせないのはフレーズの豊富さにもよるのでしょう。"Too Rooling Stoned"は、セカンド「Bridges Of Sigh」に収録されていたものですが、このライヴの方が生々しくて好きです。これと"Daydream"の入ったA面が特にいいです。

77年の日本公演では、デューワーはvo専任となり4人組となっている関係でトリオ編成のギリギリの緊張感が失われていると書かれたものを読んだことがありますが、「三人組セレクト」ではぜひ入れたいバンドです。日本では一部のマニアにしかウケませんでしたが、アメリカでは本作が#10、さらに「Long Misty Days」('77)が#24、「In City Dreams」('78)が#25まであがるヒットとなっており、シングルとは別ジャンルのアルバム・アーティストとして幅広い人気があったようです。

*1:ワン、ハミングバード、ハンソンなどのコンラッド・イサドアとは別人みたいです