all#3

Down By The Jetty
■All Through The City / Dr.Feelgood
フィールグッズは現在でも活動中のバンドです。デビュー当時はパブ・ロック*1として紹介されることも多かったですが、パンク〜ニュー・ウェイヴ以降となるとガレージ〜ビートバンドの長老として紹介され、日本でも固定ファンがついています。
何よりもまず75年UAから出たファースト「Down By The Jetty」でしょう。リー・ブリロー(vo,harp)、ウィルコ・ジョンソン(g,vo)、ジョン・B・スパークス(b)、ザ・ビッグ・フィギュア(ds)の4人によるシンプル極まりない演奏。とりわけウィルコ・ジョンソンのすさまじく鋭利なカッティングは、一番に耳に残ります。僕がこのLPを初めて聞いたのは、Edselからの再発でしたので、80'sの半ばでしょうか。ウィルコの後任のジッピー・メイヨ、ジョニー・ギター時代の作品ばかり入手できたのですが、初期のものはなかなか入手が難しかったのでうれしかった。クールと言うよりは不気味なポートレイトのジャケットも印象的でした。プロデュースは、エディー&ザ・ホット・ロッズ、インメイツ、モーターヘッドを手がけるヴィック・メイルで、デイヴ・エドモンズロックフィールド・スタジオ他でレコーディングされています(この辺のパブ・シーンのつながりはおもしろいです。ちなみにエンジニアは、ヘルプ・ユアセルフのデイヴ・チャールズです)。
オープニングの"She Does It Right"から荒削りなサウンドには圧倒されます。
"All Through The City"は歌詞に"down by the jetty"と出てくるのでタイトル曲でしょう。ウィルコのgは本当にすごい。彼らがいなかったら日本の、ミッシェルガン・エレファントは存在しなかったでしょう。動画を見るとスパークスとウィルコの動きに注目。

やはりテンポが速い方がいい!

3枚目のライヴ「Stupidity」は全英#1に輝いています。

*1:この言葉は具体的な音楽スタイルを現すわけではなく、(大きな小屋ではなく)パブで演奏されるロックといった意味で幅広く使われています。よってフィールグッズ、ルーモアのようなビート系、ヘルプ・ユアセルフ、エッグス・オーヴァー・イージーのようなルーツ・ロック系など様々なスタイルに分けられるのです