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Frampton Comes Alive
■Show Me The Way / Peter Frampton
ハンブル・パイから脱退してソロとなったピーター・フランプトンのソロ5枚目「Frampton Comes Alive」は、シスコのウィンターランドなど4ヵ所でライヴ・レコーディングされたものです。76年にリリースされこの年を代表する大ベストセラーとなった2枚組ですが、日本ではこのアルバムによって、多くのポップス・ファンにも名前が知られるようになり、「エリック・クランプトン」なんて間違って呼ばれることも多くなってきました(それまではそもそも存在が一部のロック・ファンしか知らなかった)。10週連続#1、全世界で1200万枚近くの売り上げを記録したらしいですが、過去4枚のスタジオ作は、近作「Frampton」が#32だけであとはトップ100入りしておらず、この突然のメガヒットは実に驚異的です。地道なクラブ・サーキット廻りや、FM局がシングル以外にアルバムからOAすることが増えた(それが別のヒットシングルを生むようになった)事とも関係するのでしょう。
ポップなメロディーはパイ時代から不変で、ジョン・シオモス(ds)、ボブ・メイヨ(g,kb)、スタンリー・シェルドン(b)、フランプトン(g,vo)によるシンプルな演奏はロックンロールの楽しさを浮かび上がらせます。それにしても観客の熱狂振りは凄いです。もちろん作られた部分もあるのかもしれないけど、youtubeの動画を見ても、熱狂しているからあながちダビングともいえないのでしょう。少なくとも音だけではわかりにくいので、映像が必要です。
このライヴ盤は、過去4枚のソロから満遍なく選ばれ、それまでシングルヒットを出せなかったことをものともせず、"Show Me The Way"(#6)、"Baby I Love You Way"(#12)、"Do You Feel Like We Do"(#10)の3枚のヒットを生みました。
長いカーリーヘアで甘いルックス、胸をはだけた衣装はまさにアイドル的なんだけど、音楽的には確かなものがあります。事実髪も薄くなりかつてのルックスが別人のようになった近年のフランプトンを観客は依然熱狂的に受け入れています。

完璧なアイドルだ。

近年の姿。トーキング・モデュレーターを使ったプレイは相変わらずウケています。
Frampton
"Show Me The Way"は日本でも大ヒットしたナンバーですが、スタジオ・ヴァージョンは前作「Frampton」に収められていて、メロディアスではありますが、ここまでヒットするとは思えない気もします。当時フランプトンが凝っていたトーキング・モデュレーター*1を使って相の手を入れていますが、ライヴでは、たっぷりと聞かせるソロを含めてこのギター奏法の知名度を大きく上げました。

*1:しゃべってるようなトーンをgの音色に合わせる事が出来るエフェクターで、ジョー・ペリージョー・ウォルシュドン・フェルダージェフ・ベックなどが多用しました。70'sロックを代表する彩でしょう