nobody#2

On Stage
4■Nobody But You / Loggins & Messina
エスト・コーストのバンドならすべて好きだった、というわけでは勿論無いのです。特に苦手としていたのは、このロギンズ&メッシーナ。あの時代をリアルタイムに体験した方なら、ウエスト・コースト云々よりも、ラジオから流れるポップスメイカーとしてこのデュオを記憶されてる向きも多いでしょう(実際僕が予想してたほど、シングルは売れてませんでした(^^;)。ゲイター・クリークから独立してソロになったケニー・ロギンズを裏方として支えた元ポコのジム・メッシーナがそのままデュオを組む形となり、活動はスタートしますが、74年に4枚目としてリリースされたのが2枚組「On Stage」です。
ポコ時代から、ライヴでメッシーナは長い曲をやってましたが、この2枚組の後半は21分だの12分だの長い曲があって、辟易します。しかも1枚目の前半はロギンズ一人の弾き語りですし・・・
バンドは、サンシャイン・カンパニーのリズム隊だったラリー・シムズ(b)とマール・ブリガンテ(ds)、後にグレン・フライのソロや再編イーグルスに加わるアル・ガース(vn,horns)、ジョン・クラーク(fl,horns)に主役の二人を加えた6人編成ですが、カントリー、フォークといったルーツだけでなく、長尺の曲ではジャズ的な構成のものもあって、評価が分かれるところです。「基本的にエンターテイメント性優先の風潮(それは二人の軽妙なキャラに負うところも大きかったのでしょうが)が評価を妨げている」と書かれてるのは宇田和弘さんですが、僕はその軽妙な感じがあまりいいイメージなかったです。かといってシリアスになってゆく後期の作品ももちろん聞きこんではいませんが、きっとダメなんだろうなあ。その訳はやはりメッシーナにあると見た。メッシーナがイニシアティヴをとった初期のポコは、リッチー・フューレイがいなければ、到底僕は付き合えなかったろうなあ、と思います。実際メッシーナが「Deliverin'」で辞め、ポール・コットン参加後ぐっとポコとの距離が縮まった気もします(ですから初来日なった再結成後のポコは、まったく面白くなかったのです)。
さて、この「On Stage」というライヴ盤は3枚のスタジオ盤しか出していなかったグループにしてはかなり野心的な作りです。それは長尺の曲が並んだ2枚目を聞けばわかりますが、ロギンズ&メッシーナ・グループとして勝負に出た感じもします。シスコ、NY、ボストンの観客は熱狂的に支持します。ある意味早すぎたフュージョン志向もあって、それは70's後半にロギンズのソロに通じるものがあったりもするのかな?
冒頭のアコースティック・セットで、必殺の2曲−"House At Pooh Corner"(NGDBに取り上げれました)と"Danny's Song"(これはゲイター・クリーク時代のナンバー)をやってしまう気前のよさもある種見上げたものかも。ラストに収められたロックンロールの"Nobody But You"は、ファーストの1曲目でメッシーナテレキャスがパキパキ言います。

軽妙なキャラが〜というくだりを代表した様な曲がこれ("My Music")。こういう明らかにハイスクールをターゲットにした感じの曲って、引いてしまうのだなあ。

僕としてはこっちの方が好き。