know#2

Wish You Were Here
6■Know One Knows / Badfinger
今となっては笑い話ですが、Apple関係が正式にCD化された時のお祭り騒ぎはすごかったです。その少し前にBearsville時代のトッド・ラングレンRhinoから再発(あの当時はCDとLPが一緒に出た)された時もそうでしたが、輸入盤ショップはあれ以上の盛り上がり。Apple関係の全アイテムがCD化されそうなムードでしたが、結局は2/3程度にとどまりました。中でもメリー・ホプキンとバッドフィンガーに人気は集中してましたね。その少し前にはApple時代の作品が粗悪なブートレッグとして、高い値段がついてましたし、Apple時代に先駆けて、次のWarner Bros時代の作品が「Best Of Badfinger Vol.2」(この第2集と言うくだりが泣けます)としてまとめられたりしました。
僕自身、ラジオで聞いたことがある主要ヒット曲以外はバッドフィンガーの音を聞けるわけでもなく、まずはこの英Edselから出たWarner時代のベストが入門編でした。
悪徳マネージャー、スタン・ポリーとメンバーの確執、メンバーに不利な条件による契約から来る財政的困難、そしてリーダーのピート・ハムの自殺と、75年前後のバッドフィンガーにはいい話はありません。74年にはWarnerに移って、精力的に2枚のスタジオ録音盤をリリース、さらに演奏力もアップし、骨太となったライヴなど、決して悪くはないのですが、音楽以外の環境が悪すぎました。「素敵な君」と言う邦題がついた「Wish You Were Here」('74)は、Warner第2弾で、前作「Badfinger」(涙の旅路)に比べるとややテンションは落ちた感じです。ここに収められた"Know One Knows"は、いつもバッドフィンガーらしいパワーポップな演奏で、prodのクリス・トーマスのGFだった(不倫でした)サディスティック・ミカ・バンドの加藤ミカが奇妙なナレーションで参加しているのも話題となりました(♪誰も知らな〜い)