09002■■日曜日には鼠を殺せ('64米)

監督:フレッド・ジンネマン
主演:グレゴリー・ペックアンソニー・クインオマー・シャリフ
ずいぶん昔にTVで見た時はあまり感心しませんでした。アクション映画を期待していたから。でもこれは実は心理サスペンス映画だったのです。
スペイン内戦で共和国派のリーダーだったマニュエルは、20年後国境に近いフランスの小村で暮らしていましたが、宿敵の警察署長が、マニュエルの母の危篤に乗じてある罠を仕掛け、マニュエルをおびき出そうとします… まあこんな話です。派手なアクションも、マニュエルの戦略もなく、話は淡々と進みますが、罠と知って帰郷すべきか、せざるべきか迷う心の揺れをモノクロでじっくりと見せます。現代の映画ではありえないテンポです。ペック=クインは「ナバロンの要塞」('61)のコンビ。ジンネマンといえば、僕には「ジャッカルの日」ですが、それに近いムードもあります。
原題は、「黙示録」6章8節の有名な聖句で、「蒼ざめた馬を見よ。これに乗るものの名は死。黄泉これに従う。」から取られています。で邦題はエメリック・プレスバーガーの原作「Killing A Mouse On Sunday」から取られています(ややこしい)。
ここここに詳しいです。
さらに深く考えると「赤狩り」で転向しなかったジンネマンは、宿敵よりも密告者を射殺を選んだ、ペックの姿に投影させたのかも。密告者とはエリア・カザンですね。