fair#2


40■Melody Fair / Lulu
言わずと知れたビージーズの、そして「小さな恋のメロディー」の主題歌です。この辺の事はこのまえ書いたばっかりな気もするので、今回はパスします。で、長兄モーリス・ギブ夫人だったルルの事を。スコットランドグラスゴー出身の女性シンガー、ルルは60'sの英国では一番ソウルフルに歌うガールシンガーだった気もします。69年にAtcoに移籍するとジェリー・ウェスクラー、トム・ダウド、アリフ・マーディンのprodでマッスル・ショールズ録音の「New Routes」を完成させます。これはルル、サザンソウルを歌うといった趣きの傑作でした。それの続編にあたるのが70年の「Melody Fair」です。前作同様3人のプロデューサーが担当。今度はマイアミのクライテリア録音で、バックはディキシー・フライヤーズ(ジム・ディキンソン(p,g)、マイク・アトレー(org)、サミー・クリーゾン(ds)、トミー・マクルーア(b))でアレサ・フランクリンのコーラス隊、スウィート・インスピレーションズ(vo)も参加しています。ゲイリー・ボンズビートルズ("Good Day Sunshine")、ランディー・ニューマンなどに交じってビージーズのこの"Melody Fair"も入っていますが、情感にあふれる感じはオリジナルにかなわないと思います。それでも度胸たっぷりと言うか貫禄ある歌い方はさすが。他にはグラスゴー時代のジム・ドリス(ルルがフランキー・ミラーと交流があった事はミラーがカヴァーしたドリス作品でうかがい知れます)、バカラックなどをカヴァー。
単体ではCD化されていませんが、おととしRhinoが「Atco Sessions」としてCD化。これはかなり熱いです。

Atco Sessions

Atco Sessions