money#2

鋼鉄のロック魂(紙ジャケット仕様)

鋼鉄のロック魂(紙ジャケット仕様)

44■Money Lender / Ian Gillan Band
ディープ・パープル脱退後のイアン・ギランは、一時音楽への興味を失っていたこともありましたが、75年にイアン・ギラン・バンドを率いて復帰してます(それ以前の74年にレコーディングされたフォーク的な「Cherkazoo」は92年にRPMから発掘されています)。メンバーはレイ・フェンウィック(g〜スペンサー・デイヴィス・グループ、ファンシー)、ジョン・ガスタフソン(b〜クォーターマス、ハード・スタッフ)、マーク・ナウシーフ(ds)、ミッキー・リー・ソウル(kb〜エルフ、レインボー)という旧知の面々*1で、ギランが集めたというよりは、プロデューサーのロジャー・グローヴァーのつてで集まったという感じです。Oysterからの「Child In Time」でカムバック後、kbをコリン・タウンズにスイッチ。タウンズの加入でジャズロック路線が強化されました。そもそもギランの歌唱スタイルであるシャウトが一番生かされるのは、やはりハードロックでありますが、あえてその路線を避け、ファンキーなフュージョン風の演奏をバックにシャウトするというスタイルを取りました。77年にIslandに移籍しリリースされたセカンドは「鋼鉄(はがね)のロック魂」というすごいものでした。この「Clear Air Tubulence」はタウンズのsynを大きくフィーチャーし、とにかく転調、変拍子が続くジャズロックで大いに話題となりましたが、日本を含む多くのファンはやはりギランのハードロック復帰を願っていたようです。

後半部分が"Money Lender"で、これまた転調を繰り返すナンバーです。ギランのとなりでスポットライトを浴びるのは、フェンウィック。古くはオランダのアフターティーから、ウィンウッド兄弟脱退後のSDG、ファンシー、ハーディン&ヨークなどで活動したセッションマンです。TV関係の仕事も多く、裏方の仕事を収めたコンピもRPMから出ています。
Groups in Sessions

Groups in Sessions

IGBのこのファンキー路線はもう1枚「Scarabus」そして武道館のライヴ2種をリリースして終了。タウンズ以外のメンバーを一新してのソロ「Gillan」でメタリックな路線へ復帰します。
Scarabus

Scarabus

*1:フェンウィックはジョン・ロードのソロ「Gemini Suite」に参加、ガスタフソンのハード・スタッフはパープル・レーベル所属、リー・ソウルはエルフ出身という身内です