honey#3

I'm Easy: Lost & Found

I'm Easy: Lost & Found

47■Honey,Won't You Let Me Be Your Friend / Keith Carradine
キース・キャラディンというと俳優としての顔の方が知られていますよね。父親はジョン、兄はデイヴィッド、弟はロバートという俳優一家で育ちながらsswとしても活動。俳優デビューはロバート・アルトマン監督の「ギャンブラー」('72)でしたが、同じアルトマン監督の「ナッシュヴィル」('74)*1で歌った自作の"I'm Easy"が、アカデミー主題歌賞を受賞して、にわかにsswとしても注目されました。
その"I'm Easy"を含むファーストが、Asylumから出た「I'm Easy」('76)です。
キャラディンはインタヴューで自分の音楽的なルーツはPP&Mにあったんだと語っていますが、ここでの作品のarrは当時盛り上がりつつあった、ファンキーなソフト&メロウ路線です。タイトル曲の"I'm Easy"は、#17位まで上がるヒットとなりましたが、そっちのヴァージョンは映画がらみでabcよりリリースされていた為、このAsylum盤と同一なのかは確認できていませんが、メロウなkbの使い方がシンプルなメロディーとうまく合っています(ティン・パン・アレイが"Caramel Rag"の中で引用しています)。
プロデュースは、トム・スコットのLA・エクスプレスのジョン・ゲリンで、デイヴ・グルーシン(kb)、ハーヴィー・メイスン(ds)、ラリー・カールトン(g)、リー・リトナー(g)、アール・パーマー(ds)らが参加しています76年という時代柄プレAORなarrではありますが、非常に清々しい音で、好感が持てます。演奏面ではこれほどの名盤なのにレア・グルーヴとしてあまり評価されないのはなぜでしょう?
冒頭に収められた"Honey,Won't You Let Me Be Your Friend"は、けだるいvoとゆったりとしたサウンドがマッチしています。当時の日本のニューミュージックあたりがずいぶん引用したでしょうね。


映画は使用音楽の権利関係が難しくて日本ではDVD化されてないし、かれこれ20年は見てないので詳細は全く覚えてないけど、アルトマンの傑作群像劇として知られている。

*1:契約の関係からか日本ではヴィディオ時代から出たことがありません。相当昔前に深夜映画で見たっきりの1本。ロニー・ブレイクリーやバーバラ・ハリスも出ていました