moonlight#3

スティッキー・フィンガーズ

スティッキー・フィンガーズ

57■Moonlight Mile / The Rolling Stones
70's初めのストーンズを代表する1枚と言えば、やはりジッパーつきの「Sticky Fingers」('71)でしょう。Rolling Stonesレーベルを設立しての第1弾で、日本でもそれまでのキング(Decca時代)からワーナー・パイオニアに移った事で、イメージを一新しました。新加入のミック・テイラー(g)のお披露目だったライヴ盤「Get Yer Ya-Ya's Out」('70)に続くものですが、「Let It Bleed」('69)あたりから続く米南部を見据えたストーンズ流ルーツ・ロック(もちろん当時はそんな解釈なんてなかったのですが)を展開しています。有名すぎる"Brown Sugar"から始まって、テイラーのルーズなスライドをフィーチャーした"Sway"、ジャム的な"Can't You Hear Me Knockin'"、Deccaに人質に取られてしまったメロウなバラードの"Wild Horses"がA面では素晴らしい。B面はまたも同じようなタイプの"Bitch"から始まり、メンフィス・ソウルっぽい"I Got The Blues"を挟み、カントリー・ロックな"Dead Flowers"へと流れる流れも素晴らしいです。そしてラストの"Moonlight Mile"では、月明かりに照らされたバラードを聞かせます。東洋的なarrはポール・バックマスターの弦による部分も大きいです。