mile#2

ファイヴ・マイルズ・アウト(紙ジャケット仕様)

ファイヴ・マイルズ・アウト(紙ジャケット仕様)

58■Five Miles Out / Mike Oldfield
「Tubullar Bells」をよく聞いたのは高校2年の頃です。ちょうどVirginが日本コロムビアからビクターに移って旧作が毎月リリースされていた頃。
Tubular Bells

Tubular Bells

きっかけは覚えてないですが、fluteの入った曲が好きだったんで「The Music」*1の特集で、このアルバムが紹介されていた事もきっかけだったのかなあ。片面1曲という苦手な世界なのに思わず引き込まれたのは「エクソシスト」効果もあります。マイク・オールドフィールドの旧作、出たばかりの新作「Incantations」、ライヴ盤「Exposed」などを積極的に聞いたのもこの頃です。でも「QE2」あたりから興味も怪しくなって、決裂したのがこの「Five Miles Out」('82)です。
それまでの長髪、ヒッピー然とした佇まいから、紙を切ってイヤリングをしたマイクを見た時にはビックリしましたが、「Platinum」以降組曲形式の大作と、小品が混在するアルバムづくりとなりまして、この「Five Miles Out」では、A面に大作の"Taurus?"、B面に小品という構成でした。82年にホール&オーツがカヴァーし大ヒットさせる"Family Man"のオリジナルはこのB面に収録されていました。そこでは、元ケイドゥ・ベル*2のシンガー、マギー・ライリーのvoをフィーチャーしていますが、このタイトル曲では、ライリーのvoに加えオールドフィールドのvocorderを通した肉声が聞けます。
今ではまあ冷静に聞けるのですが、当時はまだプログレ的なものに今とは違った愛着(今のは達観した「愛着」ですが)を抱いていた僕は、確か2〜3回聞いただけでこのLPを処分した覚えです。


今から思えば結構80's的なメロディーとアレンジです。シングル・カットされて全英#43。
マギー・ライリーという人は結構人気だそうで、ネット界隈でもファンを名乗る人が多くてちょっとびっくりでした。先にも書いたケイドゥ・ベルはCDを買ったけど、期待したものとちがいましたね。パブ・ロックと書かれてるものも多いですが、パブ・ロックというのジャンルも音楽的に幅がありすぎます。
ライリーの名前を高めたのは、「FMO」の次の「Crisis」からの"Moonlight Shadow"ですね。
Crisis

Crisis

*1:小学館から出てた月刊音楽雑誌。「FMレコパル」の月刊ヴァージョンのような感じ。ポップ・ロックからクロスオーバー(死語)まで幅広く網羅

*2:かつてはカド・ベルの名前で日本盤LPも出ていたスコットランドのメロウ・ファンク・バンドです。少なくともケルトらしさは皆無