mile#3

MYSTERY TO ME

MYSTERY TO ME

59■Miles Away / Fleetwood Mac
リンジー・バッキンガムスティーヴィー・ニックスの二人が加わり世界的にブレイクした時点でのフリートウッド・マックの旧作は、少なくとも日本では「Bare Trees」とこの「Mystery To Me」しかカタログに残っていませんでいた。しばらくしてReprise時代の旧作がどっと再発されたのですが、好みではないけど印象に残るイラストのジャケのこの73年作は、高校時代帰りに寄るレコード屋でもよく見かけていました。
71年の「Future Games」で、新たなスタートを切ったマックですが、72年の「Bare Trees」でダニー・カーワン(g,vo)も抜けてしまい、サヴォイ・ブラウンからデイヴ・ウォーカー(vo)、アシャカンからボブ・ウエストン(g)、スティーヴ・ナイ(kb)を加え(これはマネージメント側の要求もあったらしいです)たのが、前作「Penguin」で案の定、ウォーカーとナイが辞めボブ・ウエルチ(g,vo)、クリスティン・マクヴィー(kb,vo)、ジョン・マクヴィー(b)、ミック・フリートウッド(ds)にウエストンというメンバーで録音されたのが「Mystey To Me」です。基本線はいつも通り、ややこもった感じのミスティな音作り。メロディアスなソフトサウンディングな音は、いわゆるブリティッシュ・ロックの流れは完全に傍流になっています。すでにブルーズの影は表面からでは、ほとんど分かりにくく隠れてしまっていますがルーツはそこにあるのでしょう。バッキンガム=ニックス時代にもプレイされた"Hypnotized"、クリスティンのメロディー・メーカーぶりが発揮された"Believe Me"、"Just Crazy Love"、ウエルチらしい"Forever"、"The City"(スライドはウエストン)も好調です。
Midnight Specialでの動画が残っている"Miles Away"は、少し意外なナンバーで軽いけどスワンプ風味もあるロックンロール。フリー・フォームなgはウエストンでしょう。