night#3

白いレガッタ

白いレガッタ

63■Bring On The Night / The Police
80年の2月に見たポリスは、僕は初めて体験したリアルなロック・コンサートでした。それまでイーグルスやドゥービー、アル・スチュワートやボブ・ウエルチなんかを見てましたが、現在進行形の度合いがまず違います。同じ頃ストラングラーズの初来日で名古屋も大いに盛り上がったという話も聞いてましたが、この日の愛知県勤労会館は、アンコールでステージに上がるクレージーなやつらもいて、なかなかの盛り上がりでした。この時点でポリスが出していたのは2枚しかありません。出たばかりの「Regatta De Blanc」はホワイト・レゲエと呼ばれた時代の最高傑作で、ストレートな曲ばかりだった前作「Outlandos d'Amour」と違い、変化球も交えてのものでした。とりわけヒットシングル"Message In A Bottle"から始まるA面の流れは素晴らしく、ハイ・スピードなレゲエ風のインストのタイトル曲を挟み、タイトなロックンロール"It's Alright For You"、そしてこの"Bring On The Night"と続きます(締めは無敵のハイハット・プレイが聞ける"Deathwish")。後にスティングのライヴ盤のタイトルにもなったこの曲は、繊細なリズムが印象的なナンバーです。とりわけイントロのアンディー・サマーズのプレイは、イギリス古来の民謡っぽかったりと全然パンクとかじゃないですが、ニュー・ウェイヴの多くのバンドを一気に飛びこしてしまうような(実際他の連中とはこの3人はキャリアも違うのですが…)予感を感じさせます。