■■■09007将軍たちの夜('66米)

監督:アナトール・リトヴァク
主演:ピーター・オトゥールドナルド・プレザンスオマー・シャリフ
アナトール・リトヴァク監督というとフランソワーズ・サガン原作の「さよならをもう一度」位しか見た事がなくて、ピークが50'sという印象が強いです。キエフ出身で独、仏、英で作品を撮った珍しいキャリアの持ち主です。晩年とも言える66年の本作は第2次大戦末期のワルシャワで起こった娼婦の猟奇殺人事件をめぐるミステリーで、解放間際のパリ、65年のハンブルグに舞台を移してのスケールの大きな作品です。といっても中心となるのはパリの部分で、ヒトラー暗殺未遂事件を含んで、ドイツ軍内部の策略が描かれます。何と言ってもオトゥールの狂気に満ちた演技が素晴らしい。「映画をめぐる冒険」で村上春樹は、「硬質のアブノーマリティの演技はこの人ならでは」と書いています。オトゥール、プレザンス、チャールズ・グレイの3人の将軍をめぐる事件の探偵役は、シャリフ(ドイツ人役には見えませんが)であり、フィリップ・ノワレです。他にはトム・コートネイクリストファー・プラマーも出ています。「カジノ・ロワイヤル」でマタ・ハリと007の娘、マタ・ボンドを演じたジョアンナ・プティットも美しい。この人好みなんですが、いかんせん作品があまり紹介されてません。
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