米都市#5

91■Milwaukee / Pacheco & Alexander
sswのトム・パチェコと当時の夫人、シャロン・アレクサンダーとのデュオ、パチェコ&アレクサンダーの唯一のLPは、71年にひっそりとリリースされました。日本では80年にCBSソニーから「イッツ・ア・ビューティフル・ロック・デイ・シリーズ」の1枚としてこれまたひっそりとリリースされ、01年に名盤秘宝館シリーズで世界初CD化されています。そこまでして目をかけなければいけないアルバムなのか、本当のところ迷ってしまうのですが、僕みたいに買っては売って、を繰り返す人もいる事ですし。
さてプロデュースは、オーリアンズ結成以前のジョン・ホールで、前年にリリースされた初ソロ「Action」でも、パチェコ作の"Milwaukee"を取り上げていましたし、シャロンをコーラスとして起用していました。あまり意識していなかったのですが、ウッドストック系のミュージシャンが大挙参加していることも、このLPの人気でしょうか。ジョン・サイモン(kb)をはじめ、ホールが当時組んでいたサンダーフロッグのハーヴィー・ブルックス(b)、ポール・ハリス(kb)、ウェルズ・ケリー(ds)、更にはジャニス・ジョップリンの最後のバックバンドだったフル・ティルト・ブギー・バンドの面々も加わっています。ライナーで天辰さんが書かれてるように、パチェコは現在も現役で、一時期リック・ダンコやヨナス・フィエルと組んでいたこともありますが、精力的に活動を続けています。歌詞の面でSFに傾倒していたこともあって(ジェファーソン・スターシップの「Dragon Fly」にも提供)、じっくり歌詞を読んでみるとなかなかおもしろいです。
この"Milwaukee"でも、まあこの町の悪口をいろいろ並べているのですが、気になるのは、「彼女のサリーがいうところ、世界中旅したけど、身の毛がよだつのはミルウォーキーだけだった」ってくだりです。ホールが大活躍するロックンロールです。
他にもゆるいカントリー・ロックっぽいバラードの"Morning"、"Anna Lee"はいいですが、全体にやや焦点が定まっていない印象もあります。

ミルウォーキー五大湖周辺のウィスコンシン州最大の都市で、ドイツ系の移民が多いので、ビールの生産量が全米一とか。メジャー・リーグのブリューワーズでもしられています。ちなみにMilwaukeeとは、ネイティヴ・アメリカンの言葉で「いい土地」の意味とか。