devil#2

117■Race With The Devil / Gun
"悪魔天国"という邦題がついたガンの68年のヒット曲(#8UK)がこの"Race With The Devil"です。68年とは信じられないヘヴィ・メタリックなgのリフですが、ストリングスやホーンの入れ方はサイケ時代の68年らしいです。エイドリアン(g,vo)とポール(b)のカーティス兄弟がルイス・ファレル(ds)と結成したガンは、クリームと同時代のハードロック黎明期のパワー・トリオでした。僕は今回調べるまで知らなかったのですが、ガールスクールやジューダス・プリースト、ブラック・オークらがカヴァーしています。
正直この曲のリフを聞くと思わず笑っちゃうのですが、ラヴ・スカルプチャーの"Sabre Dance"に通じる豪快なプレハード・ロックです。ガンや後述するスリー・マン・アーミー周辺は、かつてシンコーから出ていたムック「ヒストリー・オブ・ブリティッシュハード・ロック」の中で深民淳さんがえらく評価していました。

2枚目の「Gunsight」の後解散しますが、71年に兄弟(以後はガーヴィッツ姓を名乗ります)にスプーキー・トゥースのマイク・ケリー(ds)を加え、スリー・マン・アーミーを結成。フォーク系のPegasusから「Third Of A Lifetime」をリリースします。英ハードロックの裏名バンドとして一部では語られる3MAは、エイドリアンが、本作にゲスト参加のバディ・マイルス(元エレクトリック・フラッグ)に引き抜かれるなどのトラブルもありましたが*1、ケリーからメイ・ブリッツのトニー・ニューマン(ds)となって73年に復活。「Mahersia」をリリースします。なぜか3枚目なのに「Three Man Army Two」('74)リリース後解散、
Third of a Lifetime

Third of a Lifetime

Three Man Army

Three Man Army

かつて「Mahersia」は独Repertoireから出てたはずなのに… タイトルとジャケ変えた米Reprise仕様がこのセカンド
Three Man Army Two

Three Man Army Two

兄弟は今度はジンジャー・ベイカーと組んでベイカー・ガーヴィッツ・アーミー*2として3枚のLPをリリースし、エイドリアンはこれを最後にハードロックシーンより卒業。渡米したのちCBSから「大人のロック」なソロをリリースしています。
スウィート・ヴェンデッタ(甘い復讐)(K2HD/紙ジャケット仕様)

スウィート・ヴェンデッタ(甘い復讐)(K2HD/紙ジャケット仕様)

*1:この間ポール・ガーヴィッツが元バジャーのブライアン・パリッシュと組んだフォーク・ロック・デュオがパリッシュ&ガーヴィッツでRegal Zonophoneに1枚残しています

*2:マウンテンのメンバーと組んだジャック・ブルースを意識したのか