love#3

Best of

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122■Only Love Can Break Your Hearts / Elkie Brooks
エルキー・ブルックスというと、70's半ばに3枚のアルバムを出したヴィネガー・ジョーの事が忘れられません。それ以前の60'sは、ガールシンガーだったのですが。


ロバート・パーマーとのツインvoで、英国産白人R&Bとしては当時最高峰のレベルでした。商業的成功は収められませんでしたけど、特にセカンドの「Rock & Roll Gypsies」は英国スワンプの1枚として覚えておいて損はありません。このバンドもいろいろな人たちが出入りしていましたが、基本はパーマー、エルクのvoにエルクの旦那だったピート・ゲイジ(g〜エルクとは前進のダダからの付き合い)、マンフレッド・マンのチャプター3にいたスティーヴ・ヨーク(b)あたりが中心となっていました。
Vinegar Joe

Vinegar Joe

Rock 'n' Roll Gypsies

Rock 'n' Roll Gypsies

Six Star General

Six Star General

解散後、エルクはA&Mと契約してソロになり、現在まで精力的に活動を続けるのですが、日本では情報が入ってこないので、エルクがどういう位置にあるのか分かりにくいのですが、とにかくいくつものヒットを飛ばして大衆的な人気を誇っています。ただしヴィネガー・ジョー時代のロックンロール・シンガーというよりはアダルト路線で、いわゆるAOR*1的な路線です。まず75年に渡米しLA録音の「Rich Man's Woman」をリリース。これはヒット曲が出ませんでいsたが、77年のリーバー&ストーラー*2をプロデューサーに迎えたセカンド「Two Day's Away」から、"Pearl's A Singer"(#8)、"Sunshine After The Rain"(#10)のヒットが生まれました。


次の3枚目の「Shooting Star」('78)は、未だCD化されていません*3が、ここからシングルになったのが、ニール・ヤング作の"Only Love Can Break Your Heart"です(#43)。ファンキーというかメロウグルーヴっぽいarrで、これもなかなかいい感じです。この時点でオリジナルを歌う事よりも、カヴァー曲(それもいささか有名すぎる曲)を中心に歌ってゆくことにしたのでしょうか、以後もクリス・レアの"Fool"、カーペンターズの"Superstar"、シュープリームスの"You Keep Me Hangin' On"などのベタな曲をシングルでやっています。
アルバムでも、この「Shooting Star」ではピーター・フランプトンやフェイシズのカヴァーがあったりします(プロデュースはデイヴィッド・カーシェンバウム)。

例えば、キャサリン・ハウやジュディ・ツークなど、日本ではよくわからないけど英国では普通に人気のある(った)女性シンガーがいます。この辺もまたいろいろ調べて紹介したいです。

*1:狭義のAORとは、70's後半にアメリカで生まれていますので、厳密には70's半ばの英国で、AORは存在するわけではないのですが、便宜上ここではAdult Oriented Rockな意味で使っています

*2:伝説的な60'sのソングライター・ティームでコースターズやドリフターズで有名。またプロデューサーとしてプロコル・ハルムスティーラーズ・ホイールを手がけました

*3:怪しげな廉価レーベルからのベスト盤がやたら多いのも特徴です