I'll#3

Feed the Fire

Feed the Fire

130■I'll Always Let You In / Timothy B.Schmit
今さらですが60's〜70'sのロックが好きですが、その当時からずっと活動を続けているヴェテランの新作は好きか?と聞かれると残念ながらがっかりすることが多いです。それはよく考えると、その人が好きというよりは、60's〜70'sの音(ds,g.kbの音だったり、arrだったり)が好きなのであって、昔から好きな人の新作に心動かされる事は、残念ながら少なくなっています(一時的に聞いていても、次第に手が伸びなくなってくることも多いです)。
ティモシー・シュミットの01年に出た「Feed The Fire」(Lucan)もリリース当時にはよく聞いたけど、最近は忘れていました。それでも昔と変わらない感じは強く、イーグルス*1のメンバーのソロでは、一番フィットする事は事実です(ジョー・ウォルシュは大好きですが、アルバム1枚を通して満足した事はミラーボールのライヴ盤以来ありません)。それはエヴァーグリーンなメロディー・メーカーのセンスでしょう。もちろん好みの部分もあるのですが、その時代時代の要求する音に媚びない姿勢はさすがです。
ポコやイーグルスの活動と並行して、コーラス・ワークの仕事は星の数ほどあり、70's最も仕事が多かった、かけもちのバックグラウンド・ヴォーカリストでしょう。その豊富なキャリアを生かしての声の力は健在で、過去2枚のソロ以上です。ハドソン・ブラザーズのメンバーで、女優のケイト・ハドスンの父である、マーク・ハドスンが製作にかかわっていますが、スコット・カーゴ(ds)、ジム・コックス(kb)、スティーヴ・デューダス(g)がバックをつけています。"I'll Always Let You In"は、イーグルス時代のティモシーの有名なレパートリー"I Can't Tell You Why"の影がちらつきます。「The Long Run」に入ったその曲は、新加入のティモシーの名刺代わりの1曲ですが、それまでのカントリー・ロック・フレイヴァーは影をひそめ、シティ・ソウルというか、同時代のブラック・ミュージックからの影響を受け、それを巧みに消化した作風でびっくりした覚えがあります。この"I'll Always〜"では、ジョー・ウォルシュの熱っぽいgソロも、ティモシーの弾くbasslineもなんとなくかの曲を思い出させて、ニヤリとします。

いかにも80'sの青春映画っぽいクリップのファーストソロから


これは見たことなかったポコ時代 

*1:ちなみに現在のイーグルスには何の興味もありません