let#2

ひとりぼっちのスタジオ

ひとりぼっちのスタジオ

131■Let It Rock / Dave Edmunds
この前はニック・ロウの事を書きましたが、今日はデイヴ・エドモンズです。ゴリゴリのブルーズ・ロック(なんでもレーベルのParlophoneからそういう音でという要請があったとか)のラヴ・スカルプチャ*1解散後、Regal Zonophoneから「Rockpile」でデビュー。古いスタイルのロックンロールにこだわりながら、スタジオ職人(自分で作ったRockfield Studioにこもり、ダビングを重ねる)の面も見せます。72年に出た「Subtle As A Flying Mullet」は「ひとりぼっちのスタジオ」という邦題通りほとんどエドモンズ一人でダビングされた労作です。ただしここでは、フィル・スペクターへのオマージュとも取れるポップスへのリスペクトが満開で、ロネッツ、クリスタルズ、ディオンなどスペクター関連のカヴァー、シャンテルズ、エヴァリー兄弟、そしてチャック・ベリーのカヴァーで固めた選曲です。
そのスペクターものというか、ポップス関係はドリーミーなarrでなかなか素晴らしいです。チャック・ベリーの2曲は、地元カーディフでの、ブリンズレー・シュワーツをバックにしてのライヴです。重く激しい"No Money Down"に比べると、"Let It Rock"は飄々とした味がでています。
この曲は、チャック・ベリーの60年のヒット(#64)で、オリジナルはまあいつものパターンなんですが、エドモンズのヴァージョンは、"Promised Land"風に始まり、終始あっさりと決めます。ストーンズやロニー・ホーキンス(ここではポール・バターフィールドのharpも出てきました)のカヴァーもあります。

*1:ハチャトゥリアンの"Sabre Dance"(剣の舞)を大胆にロックインスト化