Chu's Garden1

Chu’s Garden(DVD付)

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■ありがとう:小坂忠('71)
Early Days
10枚組の箱のトップを飾るのは、71年のファーストソロです。それ以前には、柳田ヒロらとのフローラル、松本隆らとのエイプリル・フールのvoとして知られていた人で、日本版「ヘアー」を経て、設立されたばかりのMushroomの第1弾としてリリースされました。日本版ジェームズ・テイラーとは言い得て妙ですが、当時小坂はJTのアップル盤を愛聴していたとか。プロデュースはサムライのミッキー・カーチスですが、音楽面での主導権を握っていたのは、当時はっぴいえんど細野晴臣です。細野の書いた”ありがとう”はまんまはっぴいえんどの世界ですが、低音のvoもその後の細野の歌唱スタイルに影響を与えています。ただこの曲は、ホーボーズ・コンサートでの細野のヴァージョンがあまりにすばらしいので… 松本隆(ds)、鈴木茂(g)が加わった曲もありますが、水谷公生(b)、原田祐臣(ds)といったニュー・ロック系のミッキー人脈がバックをつけています。カントリー・ロックとなった"機関車"は、「ほうろう」ヴァージョンに親しんでいるので違和感あり。ただ学生運動華やかな頃、体制側に取り込まれた同士を歌ったという話は知りませんでした。基本的にアコギを使ったフォークロックで”いなか道”はのどかな反面、歌詞が結構沁みます。