hollywood#2


143■Hollywood / Lauren Wood
僕がイメージするAORってのは、マイケル・マクドナルドに影響されたパターンです。ロビー・デュプリーの1枚目やローレン・ウッドの最初の2枚なんかがそうです。どれも80'sの初めで、その頃はそういう音を結構聞いていました(他に聞くものがなかった)。
ローレン・ウッドがチャンキーと名乗っていた頃、チャンキー、ノヴィ&アーニーとしてデビューしたのが73年。この時はヴェルヴェット・アンダーグラウンドのメンバーでRepriseにソロがあるジョン・ケイルがプロデュースしていますが、ケイルは同じRepriseのジェニファー(ウォーンズ)も手掛けていることから、Repriseとプロデューサー契約があったのかもしれません。そのアルバム「Chunky,Novi & Ernie」は、一風変わった音で、僕の好みとはちょっと外れます。76年には再び同じタイトルのセカンドを今度はWarner Brosからリリースしていますが、こちらはプレAOR的な内容でなかなか楽しいです。デイヴィッド・キャンベルがプロデュース当時のLAのスタジオ・ミュージシャンをそろえたワーナー系の音ですが、ぐっとポップになっています。ここから二コレット・ラーソンがデビュー作で"Can't Get Away From You"をカヴァーしてウッドの名前も知られるようになりました。
そして79年に同じ布陣ながら、ウッドのソロ名義の「Lauren Wood」がWarner Brosからリリースされます。当時日本盤は「恋のトライアングル」として紹介され、CD化も割と早い時期だった記憶があります。マイケル・ジェイムズ・ジャクソンがプロデュースして、ジェフ・ポーカロジム・ケルトナー、リック・シュローサー(ds)、ビル・ペイン、ジェイ・ワインディング(kb)、ジェイ・グレイドン、スティーヴ・ルカサー、ロニー・モントローズ、サムナー・メリング(g)、マイケル・マクドナルドローズマリー・バトラー、サンフォード&タウンゼンドのジョン・タウンゼンド、パット・シモンズ、ボビー・ラカンド、TOTOボビー・キンボール、ビル・チャンプリンらが参加しています。79年当時、ルカサーはともかくグレイドンの人気はそれほど一般的ではなかったのですが、ここでは"Save The Man"で必殺のgソロを聞かせます。アーニー(b)、ノヴィ(viola,syn)も演奏に加わっていて、ウッドのスモーキーなvoと共に活躍。とりわけノヴィのviolaは随所で効果をあげています。
とりわけ"Please Don't Leave"から始まるA面を愛聴していました。"Hollywood"はその3曲目で文句なしに楽しい曲です。gソロはメリングで、この人はサムナーというバンドを後に結成する人。ニコレットの3枚目のタイトル曲"Radioland"の作者でもあります。マクドナルドの"Nothin' But A Heartache"とスティーリー・ダンの"Dirty Work"のカヴァーもあります。